××下宿屋木村 ぺてぃきゅあ ××

 

 ソファで片膝立ててTVを見ていた青組さんは、つま先に触れた冷たい感触に視線を落としたなり。

「何やってんの?おまえ」

足もとで何かをやっていた赤組さんは、青組さんの目の前で、小さな瓶を振って見せたなり。

「マニキュア?」

「そ、メイクさんが、彼女にでもプレゼントしたらって、くれたの」

「で、そのマニキュアがどうして、俺の足に塗られてるわけ?」

「だって、プレゼントする相手なんていなかったし、だったら誰かに塗ってみるのも楽しいかな・・・・と」

「・・・・。・・・・塗るな」

「いいじゃん、後でちゃんと落としてやるし」

「よくねぇ」

足を引っ込めようとした青組さんだったなりが、赤組さんにしっかりと掴まれてしまっていたなり。

「てめぇにも、塗るぞ」

「いいよ?」

あまりにもあっさりと言われて、抵抗する気力を削がれてしまった青組さんのペティキュア塗りを再開した赤組さんだったなり。

「あ、足動かすんじゃねぇよ、はみ出すから!」

「って、くすぐってぇんだからしょうがねぇだろ?」

言っているうちに、青組さんのつま先は匂い立つようなローズピンクに染められていったなり。そして、攻守交代。

「えっ?これって結構難しい?何だかすぐはみ出すって!」

「だっろぉ〜」

最初は、どうでもいいような様子だった青組さんも、いつしか一生懸命に赤組さんのペティキュアを塗っていたなり。

 結局その後、お互いのマニキュアまで塗ってしまった二人だったなり。ローズピンクの手と足の爪を互いに見ながら、

「これって、手だけ、とか、足だけ、とか見たら、結構色っぽくねぇ?」

「いや、やっぱ、男の手と足だし、そりゃ無理があるって」

と言い合っていたなりが、ふと何かを思いついて青組さんは赤組さんの耳元に唇を寄せたなり。

「な?面白くねぇ?」

「あ、それいいかも?」

 

紅白で、SMAPメンバーの爪が、それぞれに彩られてたのは、それから数日後のことだったなり。