××下宿屋木村番外編 スイカの名産地××

 

こんばんば〜ん!

木村ボニータです。そろそろ桜の季節も過ぎようとしていますけれど、如何お過ごしですか?

ボニはまだお花見には行っていません。いつかパパと中居くんとで行きたいです。パパ、連れて行ってくれないかしら?夜の桜って綺麗ですよね?この間散歩に連れて行ってもらった時に見ました。

パパにおねだりしようと思っていたら、中居くんがおいでおいでってボニのことを呼んでるのに気が付きました。

「ボニ、いい歌教えてやるよ?」

ボニが中居くんの横に座ると、中居くんはボニの耳のそばに口を寄せて歌を歌い始めました。

「友だちが〜できた♪」

一通り歌ってから、中居くんは悪戯っぽく笑いました。

「これな、知らないヤツもいるの。ボニには教えてやるけどな」

「中居っ!」

パパが中居くんの名前を呼んで、ちょっと拗ねたような顔をしたので、中居くんのいう知らないヤツっていうのがパパなんだって、ボニにもわかりました。中居くんはパパの方をちらっと見て、

「もう1回歌うから、ボニも覚えろよ?」

って言いました。

「友だちができた スイカの名産地〜♪」

でも、いくら中居くんが教えてくれても、ボニは歌えるようにはならないんだけどなぁ。中居くんだって知らないはずはないのに、とっても丁寧に何度も歌ってくれました。

そのうち、中居くんの歌に重なってパパの声が聞こえてきました。

「なんだよ、おまえハモってんじゃねぇよ!」

中居くんはパパの方を見ていいましたが、目が笑っているのにボニは気が付きました。そして、なーんだと思いました。中居くんはボニに教えている振りで、何度もパパに歌を聴かせてあげていたんです。

「ちぇっ、面白くねぇ!」

そう言ったけれど、中居くんはもう一度その歌を歌いました。パパもそれに合わせてハモっていました。ボニも一緒に歌いたかったけれど、ボニは歌えなかったのでしっぽを歌に合わせて振りました。

ボニは何だかとってもいい気持ちでした。