××下宿屋木村 ドラマの予習××

 

「なぁ、なぁ、今度のおまえのドラマってさぁ、どんななの〜〜?」

知りたがりの青組さんが言ったなり。とにかく赤組さんのドラマが入るたびに、ドラマの内容を知りたがる、青組さんだったなり。

「おまえってば、なんか普通のファンの子みてぇ!」

赤組さんは笑ったなり。

「えーっ、だって普通気になんねぇ??どんなドラマなのかな?とかどんな役なのかな?ってさぁ」

青組さんも笑ったなり。

「なっ、ここはさぁSMAPゴネってことで、・・・・教えて?」

青組さんは少しだけ首を傾げて見せたなり。

「・・・・ぶりっこしてんじゃねーよっ!」

そう言いながらも、ますます笑ってしまう赤組さんだったなり。それでも、赤組さんは仕方なさそうに説明を始めたなり。

「あのね、俺の役は久利生公平って言って、検事なの」

「刑事?」

「いや、けんじ。逮捕されたら裁判になるじゃん?その裁判に持っていく係。その検事なんだけど、青森支部から東京に転任してきたの、結構型破りな性格でさ、そいつの周りで色々な事件が起こる、みたいな感じ・・・・?」

「それって何ドラマ?」

「・・・・何?」

赤組さんは首を傾げたなり。

「ほら、恋愛ドラマとか、サクセスドラマとか・・・・」

赤組さんは納得したように言ったなり。

「あぁ。単なる恋愛ものってわけでもないみたいだけど」

「じゃ、恋愛ってねぇの?」

「・・・・どうなんだろ?俺もまだ台本少ししかもらってねぇもんなぁ」

「・・・・わかった。相手誰?」

「松たか子」

「・・・・ラブジェネじゃん」

「まぁ、大分違った感じになるとは思うんだけどね」

「・・・・ふぅん」

青組さんはご機嫌そうに抱え込んだクッションに額を擦りつけたなり。

・・・・なんか猫みてぇ。

ふと、そう思った赤組さんだったなり。

 

「木村おまえ何役?」

問題のドラマの第一回目の始まる日の番宣番組で、青組さんが言ったなり。

「えっ?」

「何役?」

「知ってるくせに!!」

思わず言ってしまった赤組さんだったのだったなり(笑)