××下宿屋木村 夜空ノムコウ××

 

生放送のいいところは、時間通りに終了時間がくるところ、と言ったのは誰だったなりか、その日のスマスマは生放送だったなりから、放送終了後、反省会なんかをやっても、いつもよれずっと早く終わっていたなり。

「おまえ、この後どうすんの?」

何故か、気忙しそうに荷物をまとめている青組さんに赤組さんは訊いたなり。

「わりぃ、ドラマ、どうしても今日中に撮っとかなきゃなんねぇシーンがワンシーンあって、今から収録なのよ」

青組さんは言うと、そのまま楽屋を後にしたなり。確かに、青組さんのドラマは、スケジュールなどの都合がつきにくくて、かなり収録が遅れているとは言うことだったけれど。

「つまんねぇの」

赤組さんは、荷物を手にすると楽屋を後にしたなり。

別に何もすることもなかったなりから、赤組さんもそのまま家に向かったなり。信号待ちで何となく赤組さんは、外を見たなり。あまりいい天気ではなかったはずなのに、いつの間にか星が出ていたなり。ふと、今夜歌った歌を思い出した赤組さんだったなり。青信号で車を出すと、そのまま路肩に止めて青組さんの携帯を呼び出したなり。

「何?」

まだ、移動中だったのだろう、青組さんはすぐに出たなり。

「いや・・・・星、出てたから」

忙しいときにバカなこと言ってんじゃねぇ!!そんなふうに言うかと思った青組さんは、一瞬の沈黙の後で、

「あ、ほんとだ」

そんな風につぶやいていたなり。

「なぁ、帰る前、連絡して?」

「どうして?」

「なんか、軽く作っとくからさ」

「いいよ、いつになるかわかんねぇし」

「いいって、俺、明日オフだし・・・・」

「甘やかすねぇ」

「たまにはね」

携帯の向こう、青組さんの笑う気配が伝わってきたなり。