ひろちゃんとたっくんはなかよしです。

ある日、ひろちゃんはちいさな光る石をひろいました。

手にもつと、まるであくしゅしてるみたいにほんのりとあったかです。

「なんだろ、これ?」

ひろちゃんは、それをたっくんにみせました。

たっくんはひろちゃんの手の上のそれをのぞきこみました。

なんどもなんどもあちこちからみて、たっくんはいいました。

「これ、きっとおほしさまだよ」

きのう、「ししざりゅうせいぐん」、といって、たくさんのほしが

ながれたというはなしを、おとなたちがしていたのを

おもいだしたのです。

「そっかぁ、おほしさまかぁ」

ひろちゃんはうれしそうにわらうと、おほしさまをそっとにぎりました。

 

ゆうがたになりました。

ひろちゃんがぽつりといいました。

「ねぇ、たっくん」

「なに?ひろちゃん」

「おほしさま、さみしくないかなぁ?」

お空にはもうすぐおほしさまがでてくるじかんです。

「どうにかして、かえしてあげられないかな?」

たっくんがまず、手にもって空になげてみました。

だけどすぐにおちてきます。なんどかやってみたあとで

ひろちゃんがいいました。

「おいらもやってみる」

ひろちゃんはきんじょのみんなでつくっているやきゅうチームの

ピッチャーです。ひろちゃんはおもいっきり空にむかって

なげ上げました。

みるみるおほしさまは小さくなって空にあがっていきました。

でもだめでした。

しばらくたって、やっぱりおほしさまはおちてきたのです。

なんどやってもだめでした。

ひろちゃんもたっくんも、なきたくなりました。

 

「あ、そうだ」

たっくんがそういってこうえんにはしりだしました。

こうえんのまんなかにはきれいないけがあります。

ひろちゃんとたっくんがなつのあいだ、水あそびをしたいけです。

ひろちゃんもたっくんについていきました。

たっくんはひろちゃんからおほしさまをうけとると、

そっと水のなかにいれました。

おほしさまは、ゆらゆらとゆれながらおちていきます。

「みて」

たっくんにいわれてひろちゃんはいけをのぞきこみました。

いけの中のおほしさまはまるで空で光っているように見えます。

「みて」

こんどはたっくんは空をゆびさしました。

「あ」

空にはいけの中とおなじようにおほしさまが光っていました。

ひろちゃんはそっといけの中に手をいれてみました。

いけのおほしさまがゆれてきえて、なにもさわれませんでした。

 

「もう、かえろ」

いつのまにか、あのおほしさまのほかにも

いくつかおほしさまがでています。

おかあさんがしんぱいしていることでしょう。

きょうのことを おかあさんにおはなししてあげようとおもいながら、

ふたりはおうちにかえりました。

「じゃあね」

「またあした」