部屋に帰って、早速シャンパンを開ける赤組さんなり。青組さんと自分のグラスに緊張した面もちでシャンパンを注ぐ赤組さんに、にやりと笑う青組さんなり。

「零さなかったじゃん」

「しつけーよ、おまえ」

そう言いながらも、赤組さんもにこっとするなり。

「おめでとう」

「ん、ありがと」

小さく金属質の音をたてて、グラスが触れ合ったなり。赤組さんは冷蔵庫から、デコレーションされたものを持ってくるなり。

「ケーキってなんだか、暑っ苦しいかなって感じだったから」

と言う赤組さんの持つ皿の上には、チョコレートムースとオレンジムースを重ねた上にフルーツを飾り付けたものが載っていたなり。

「もしかして、これ、おまえが作ったの?」

「そ、時間がなかったから、あんまり凝ったことは出来なかったけど」

凝ったことって?‥‥これ以上どう凝ろうと言うのか?というほどの丁寧なデコレーションにしばらく青組さんは見とれたなり。

「‥‥ほんと、ありがと、な」

ちょっと照れくさそうに、ぶっきらぼうにしか言えなかった青組さんだったなり。

 

その後は、青組さんが、

「こんなに食ったら、太るだろぉ?」

と言うほどの料理とお酒が用意されたなり。

「‥‥おまえは、少しくらい太った方がぜってぇいいと思う‥‥」

翌日のスマスマの遅刻キャラにならないためにも、いつまでも、と言うわけにはいかなかったなりが、それでも夜明け近くまで、二人は祝宴を続けたなり。