その日のうちに番組の収録を終えた青組さんに、早速その後の飲み会の声がかかるなり。誕生日イブ。青組さんが主役の飲み会に違いなかったなりが、今日仕事に出かける前に赤組さんが、

「今夜はまっすぐ帰ること」

と念押ししていたのを思い出して、不本意ながらも丁寧に断る青組さんだったなり。

その青組さんが、楽屋のドアを開けると、

「何でおまえがいるんだよ?」

「迎えに来てやったんだけど?」

何故かそこには赤組さんがいたなり。

「迎えって‥‥」

「あ、ちょっと待って」

突然赤組さんは自分の腕時計に目をやったなり。

「??」

青組さんもつられて、自分の腕時計を見て、そしてまた赤組さんに視線を戻したなり。赤組さんが静かに顔を上げて、口を開くなり。

「Happy Birthday to You!」

ちょうど時計のすべての針が重なる時間だったなり。

いきなり言われて、青組さんは少しぶっきらぼうに背を向けるなり。

「んだよ、わざわざそれ言うために迎えに来たのかよ?」

「いいじゃん」

にっこり笑って、青組さんの肩に手をやる赤組さんだったなり。

「おめでと。とりあえず、うちにシャンパン用意してあるから」

「え〜、シャンパン?」

「焼酎他もあります〜!!」

くすくすと笑い合いながら帰る準備をする二人だったなり。