何だか、いつもと違う気配に青組さんはぼんやりと目を醒ますなり。

「あれ?何処だここ?」

ちょっとかすれた声でつぶやいて、何度かゆっくりとまばたきを繰り返す青組さんなり。どう見ても、自分の部屋ではない上に、みそ汁の匂いまで漂ってくるなり。はっと気付いて、自分の格好を見ると、何だか妙に寝乱れているなり。

「え?何だよ、これ?」

一気に意識が覚醒してくるなり。慌てて周囲を見回す青組さんなり。そして、見覚えのある赤組さんのジャケットに気付くなり。そして、もう一度部屋の中を見回したなり。確かにそこは青組さんもよく知っている赤組さんの部屋だったなり。

ちょうどそこへ、ドアを開けて赤組さんが入ってきたなり。もう目を醒ましている青組さんに、ちょっと驚く赤組さんなり。

「あれ?もしかして眠れなかった?」

「いや、すっげーよく眠れた」

「だったら、よかった」

青組さんに赤組さんはにっこりして見せるなり。

「めし、できてるけど、シャワー浴びるだろ?」

「あぁ」

おろしたての下着を受け取って、青組さんはシャワーを浴びに向かうなり。

その青組さんの背中に、赤組さんは声をかけるなり。

「あ、中居、アジの開きと、サバ、どっちがいい?」

「アジ〜!」

 

「あー、気持ちよかった!」

髪の毛を拭きながら青組さんが戻ってくるなり。

「おい、まだあんまり拭けてねぇじゃん」

青組さんからタオルを取り上げて、ぽんぽんと髪の毛を挟み込むようにして赤組さんは青組さんの髪の毛の水分を取っていくなり。

「んだよ、めんどくせーなぁ、ぐしゃぐしゃってやっちゃえばいいじゃん」

文句を言いながらも、されるがままの青組さんなり。

「ぐしゃぐしゃってしてもいいけど‥‥、痛むよ、髪の毛?」

「痛む?髪によくない?」

「よくない」

上目づかいに尋ねる青組さんに、きっぱりはっきりと答えた赤組さんなり。

「‥‥わかった」

タオルを新しいものに換えて、赤組さんは言うなり。

「頭さげて、も少しですむから」

「ん」

やがて、青組さんの髪からシャワーの滴が落ちなくなったのを見届けて、赤組さんは納得したように言うなり。

「じゃ、いいよ。ドライヤーは後にするだろ?」

「あったりめぇじゃん」

ごはん、ごはん、っと子供のようにわくわくしている青組さんに

「ほんっと、作り甲斐があるよなぁ」

と、何だかにっこりしてしまう赤組さんだったなり。