何だかとてもいい夢を見ていたなり。だからその時、ふと目が醒めた時そのいい気分が続いていた青組さんだったなり。部屋の中は、まだ真っな時間だったなり。

「木村ぁ、今、何時?」

言ってから、すぐそばで寝ているはずの(ただ今、リビングで雑魚寝期続行中なりからね)赤組さんの姿がないことに気付いた青組さんだったなり。

「いつの間に行ったんだか」

ぽつりとつぶやく青組さんだったなり。翌日は赤組さんと黄組さんの富士登山の日、というその夜、自分の部屋に帰ろうとした青組さんは、赤組さんにつかまったなり。

「何で、今日は来ないんだよ?」

「だって、おまえいねぇんだろ?家主もいねぇのに、俺がいるわけにはいかねぇだろうが。それに、そもそもおまえ、今夜から吉田入り、じゃねぇの?」

「去年、朝、現地入りした人間が何言ってんだよ?俺も朝なの、じゃなくって‥‥。とりあえず、うちに来てよ」

「やだ」

「頼むって、俺、おまえが来ると思って、ボニ何処にも預けてねぇんだよ」

「はぁ?」

「昼間は何処に遊びに行っててもいいから、朝飯と晩飯、そして朝の散歩だけ、面倒見てやって」

パンっと手を合わせる赤組さんに

「しかたねぇなぁ」

渋々青組さんは頷き、赤組さんはにっこりするなり。

「何だよ?何そんなに喜んでんの?」

「‥‥だって、疲れて帰ったときに誰かにお帰りって言って欲しいじゃん?」

「‥‥なんか言ったかぁ?」

「ん?何にもぉ」

赤組さんに連れられて赤組さんの部屋に帰り、 青組さんが眠ってしまうまでは確かに赤組さんも一緒にいたなりが‥‥。

青組さんは、テーブルの上の書き置きに気付くなり。

「おはよう。よく眠っているようなので起こさずに行きます。朝ご飯と晩ご飯は冷蔵庫に用意してあります。ラップに赤い印が着いているのは朝ご飯、青い印は晩ご飯です。レンジで温めて食べてください。この部屋の合鍵も一緒に置いておきますので、せっかくのオフ、有意義に過ごしてください。ボニの世話、よろしく頼みます」

確かに冷蔵庫には、きちんとラップに印の付いた食事の準備が出来ていたなり。

「まめだね〜」

ちょっと、申し訳ないような気分になる青組さんなり。そして、ふと時計を見たなり。まだ、登山開始まで、いくらか時間があったなり。青組さんは携帯をとると、赤組さんの番号を呼びだしたなり。

「はい?」

「あ、間に合った」

「中居?」

「わりぃな、安室ちゃんじゃなくって」

「いや、別に悪くねぇけど‥‥何?」

「ん、頑張ってこいってことで」

「わかってるって」

「大阪での約束、忘れるんじゃねぇぞ」

「大丈夫」

「途中でへばんねぇようにな」

「大丈夫だって」

「‥‥」

「中居?」

「‥‥無理すんなよ、プロデューサーがなんて言ったって、やべぇと思ったら、無理すんじゃねぇぞ」

「‥‥おまえが言う?」

お互いにぎりぎりまで無理をしてしまうツートップだったなりから、そう言われて青組さんも苦笑したなり。

「けど。‥‥怪我しないで無事に帰ってこい」

「‥‥はい」

カーテンの隙間から見える空が微かに明るくなる頃のことだったなり。