赤組さんの部屋で、やけ酒の酒盛りが始まったなり。最初はビールのみだったなりが、段々に酔いがまわってきはじめて、ウイスキー(リザーブ?)焼酎(青組さんのキープ・下町のナポレオン?)なども飲まれるようになっていたなり。

「木村ぁ〜」

ちょっと舌足らずな感じて、でも力強く青組さんが言ったなり。

「どうしてくれんだよ?俺の中の木村拓哉伝説!!俺、ショックでさぁ‥‥昔「ドカベン」読んだときに、常勝・明訓が初めて負けたときと同じくらいがっくりしちまったんだからな」

絡み酒だったなり。青組さんはがしっと赤組さんの肩を両手でつかんで言ったなり。

「もう、負けんなよぉ〜!!今度はぜってー勝て、勝たなきゃダメだかんな‥‥。一緒に勝とうぜぇ、そして、一緒に‥‥」

と、そこで、ふっと力が抜けたなり。

「中居?」

ぽてっと頭を赤組さんの胸に預けて、青組さんは安らかな寝息をたてていたなり。

「なんなんだよ?一体」

揺さぶっても、軽く叩いてみても青組さんが起きる様子はなかったなり。

「普通、こういう場合、俺に世話させるかぁ?」

ベッドに連れていこうかとも思った赤組さんなりが、自分も酔っていたなりから、ベッドから上掛けを一枚とってきて、青組さんに掛けたなり。

そして、自分の分も取ってくるかと、思ったなりが、何だかめんどくさくなってしまったなり。青組さんに掛けていた上掛けを取り上げて、横向きにすると半分を青組さんに掛け、残りの半分に自分もくるまったなり。天使のように安らかな寝顔の青組さんに

「ほんとは、そうやってつぶれてるのは俺のはずなんだけど?」

ちょっと悔しそうにそう言って、結局は、木村旅館の女将になってしまう赤組さんも目を閉じたなり。けど、そんなこんなで、結構気分を変えられた赤組さんでもあったなり。