シニア世代からの高齢者にやさしい椅子(イス)とは 2020


 年がいってくるとまず、床に座ったり立ったりするのが億劫になります。膝が痛む方や足腰の弱ってきた方などは
特に、座卓と座布団などの床での生活よりダイニングテーブル(食堂テーブル)とイスの生活ほうが楽になります。

ではどのようなテーブルやイスが理想なのでしょうか?

 年がいけばいくほど、立ち上がりの際にはテーブルに手をつくか、イスにつかまって立つことが多くなります。
それらが手すりのかわりとして、立ち上がる時の支えとなるわけですが、このことを考えると、まず、しっかりした
テーブルやイスであることが重要です。テーブルは特に簡単に動いたり、ぐらぐら揺れたりするものは危険であり、
好ましくありません。テーブルも椅子も、あまりにお値段が安いものは、しっかりしていない場合があります。

現在、イスには介助機能(立ち上がりをサポートする、座面が押し上げてくれるものなど)が付いたものがありますが、
自力で立てるうちは少々しんどくても本人の脚力維持のために頼らないほうが良いと思います。
また、便利で動かしやすいキャスター付のイスや回転式のイスは、体を支えきる際に不意に動き、逆に危険な状況に
なる場合がありますので、あまりおすすめではありません。
では肘付きの椅子が良いのではないかと考える方が多いですが、体に不自由がある方の場合は、椅子を大きく
引くのが困難であったりするので、一概には良いとは言えません。(要介護の方にやさしい椅子とはで説明)

 要するに普通の椅子(ダイニングチェア)が良いわけです。

 イスの重さは軽いほうが好まれる傾向にあります。掃除をする場合や、イスを出し入れする場合そのほうが楽です
が、床がフローリングの場合は、裏にフェルトを貼るなどして滑らすことが可能ですので、重さはあまり重要視する
必要はないと考えます。カーペット敷きの場合は、やはり軽いほうが扱いやすいと言えます。

 年がいけばいくほど若いころとは違い、食事には時間がかかり、動作はゆるやかになり、立ち座りの回数は
減ります。すなわちイスに座っている時間が長くなります。

そう考えると、椅子でもっとも大切なのは掛け心地です。

 お年を召した方、特にやせ気味の方は、板座(木製座面)にはお尻の骨が当たり痛い、背板には背骨が当たり
痛い、などと違和感を感じる方が多くなります。つまり大切なのは座る本人の「背あたり感」、「座あたり感」です。
個人によってこの、座あたり、背あたりの感覚は異なります。
 多くのお年寄り(高齢者)には、座面は木の板ではなく布やレザー張り、背もたれも木の板ではなく、布やレザー張り
のイスのほうが違和感を感じずに受け入れられる傾向が強くなります。

 通常、イスの布(レザー)張りの座面にはクッション材の一番底に板が入っています。
できればその板が入っていないイスのほうが、お尻に底あたり感がなく、長時間座っていても血液のうっ血が少なく
なりますので、疲れにくく楽だと言えます。ダイメトロールやメッシュシート張りという椅子です。

 ではソファーのようなフカフカなら良いか?というと今度は、脚力の弱い方は沈んだお尻を持ち上げるのに、反動を
つけないとすんなり立ち上がりにくくなったり、腰まで曲がりすぎて腰痛の原因になったりします。また、フカフカすぎ
ては食事もしにくいと思います。
 よくあるリビング・ダイニング兼用の低めのダイニングセットはどうかというと、イスは座面が広くとってあるため、
重さが重くなることから、キャスター付や、回転式のイスが多くなり、健常者には楽ですが、そうでない方には前述した
ように危険をともなう可能性が多くなります。かといって、固定式の大きな低い椅子は、動かすのは一苦労です。
また、低ければ低いほど、お尻が座面に触れるまでと、立ち上がり切るには脚力が必要となりますので、脚力の弱い
方には逆にしんどい場合もあります。

 もっともおすすめなのは、あまり重くない普通の椅子です。
板座の椅子をお選びいただいても、最近では低反発の座クッションや、様々な敷物もあります。
そして何より、重要なのは、本人がデザインを気に入り、毎日見ていてあきず、むしろ、楽しくなり
実際に座ってみて、そのかけ心地に本人が満足すれば、言うことはありません。
椅子選びで失敗しないためには、「実際に座る」
そして「納得する」というのが椅子のもっとも大切なことだと思います。
いまいち椅子が気にいらない、お尻や腰がちょっとでも痛くなると、本人は椅子から離れ、少しでも楽な
ベットや、寝床に移動します。その回数が増えれば増えるほど、寝たきり老人に近づいていくように思います。

椅子は人間が座るための道具の一つですが、道具は便利になりすぎると、危険と筋力や知力の低下を招くのでは
ないかと考えます。また、体に合わない場合は、様々な要因の引き金になります。

ウッドハート サワダではデザインが美しく、掛け心地も良い、しっかりした椅子(イス)を多数ご用意しています。


 要介護の方にやさしい椅子とは