ダイエーオタク(?)・セーチャンの「SAVINGS」裏情報
  第一回:メーカーが分かってしまった!
  「SAVINGS」自体は、ダイエーのプライベートブランド商品であり、商品の品質などはダイエーが責任を持つ旨の注意書きなどが書かれている。つまり、「どこのメーカーが作ったのか」ということについては一般消費者の我々にとっては、知らなくてもいいことであり、逆に、知っているということはおかしな話なのである。
 しかし、そんな珍現象が、3代目リニューアルをはじめてすぐに起こってしまったのである。商品名は、「柿ピー6パック入り」。実は、これと内容が同じで、ナショナルブランドとして有名だったのが亀田製菓が出している「柿の種6パック入り」である。当時、確か武田鉄矢氏がキャラクターに選ばれ盛んにCMを打っていたように思う。ここからは私の推測なのだが、売価として3割ほど安いものの、ダイエーの当時の販売力が亀田製菓側にも魅力に映り、契約、当時の亀田製菓にとっても一大イベントだったはずである。
 しかし、ここでどちらが間違えたのか分からないが、一部の商品が、『亀田製菓の商品』を意味するバーコードで出荷されてしまったのである。それが店頭に並ぶと、POSレジシステムは、「亀田の柿の種」を登録してしまう。慌てた店側は、本来印刷されるべきである、「ダイエーSAVINGSの柿の種」を意味するバーコードを上から貼り付け、たいした混乱には至らなかったのである。
 さて、どうして私がこのことに気づいたのか?ポイントは2つある。まず、私は「バーコードの中身が読める」ということにある。皆さんはあの13桁なり8桁が、何の規則性も無く並んでいるとは思っていないだろうが、どういう規則に基づいて並んでいるのかについてはほとんど知られていないのが実情である。しかし、ほとんどの商品が、「49」で始まっていることぐらいはわかっておられると思う。
 この「49」が「国コード」と呼ばれるものである。その後の五桁がメーカーコード(計7桁をメーカーコードとしているところもある。また「45」で始まる商品の中には9桁がメーカーコードのものもある。参考:流通システム開発センターHP)、残る5桁が商品コードで、最後の一桁がチェックデジットと呼ばれる、計算上求められる数値である。ここが誤植によってSAVINGS商品なのに亀田製菓の商品として店頭に並んでしまったのである。
 もう一つのポイントは、当時からダイエーにどっぷりはまっていた、ということがある。約10年前の出来事で、ダイエー社内でも覚えている人はごくわずかなはずだが、ダイエーでレジを担当していた私にとって、このJANコードはいわば生命線である。これが読み取れるかどうかで処理スピードにも影響する。読み取りの悪いメーカーのバーコードなどは手が覚えるといった「裏技」すら持っていた。だからこの違いについてはピンと来たのである。
 では、このことをどう解釈したらいいのか?普通に考えると、亀田と関係の無い会社が亀田のバーコードを名乗ってSAVINGS製品を作ることはありえない。何の得にもならないからだ。そして、ご丁寧にも、亀田の柿の種と全く同じバーコードだった。と言うことは、袋の印刷の段階で、「亀田さんの注文だから亀田のコードで」と考えてしまった印刷やさんがいて、バーコードを間違って印刷してしまっていたのに、出荷されるまで誰もチェックを入れていなかった事実が判明するわけである。

 つまり、「SAVINGS柿の種は、亀田製菓の製品だった」ということが明らかになったのである。しかし、柿の種騒動は、2002年になって新たに勃発したのである。それは「レジ未登録事件」である。
 今度は、POSデータに、新商品でないはずの柿の種のバーコードが登録されていないということが起こってしまったのである。これも、今現在レジを担当している人だから分かることである。商品がリニューアルされると、メーカーなり仕様が変わってしまう。つまり、新商品という捉え方をするのが当然で、以前取っていた番号では混乱してしまう。新しい番号を取った商品と昔の番号の商品とが混在する期間が生じるのが普通で、他社の商品ならいざ知らず、自社の開発商品なので商品入荷前にデータが転送されてPOSに反映されるのが当然のはずだった。ところが、未登録という期間が出来てしまったということは、勢い、リニューアルされたことが判明したわけで、下手をすると亀田ルートでないところから商品が入っている可能性も否定できない。
 これについては、精査を考えているのだが、分かり次第、ここで発表したいと思う。
 →次回では、「メーカーはここと言い切れる」秘話を交えて、商品解剖を行っていきたい。