ダイエーオタク(?)・セーチャンの「SAVINGS」裏情報
  第三回:ブランドもリストラ? 最近のPB事情
  「SAVINGS」といった、ダイエー独自ブランドのことを「プライベートブランド」(英語表記から、PBと略する)と呼ぶことが業界内では多い。ちなみによく知られているブランドのことを国民的、という意味合いで「ナショナルブランド」(決して、「松下的」という意味ではありませんぞ。こちらはNBと略)といっている。
 さて、ダイエーがPBを作ってからの歴史は、ブランド名の離合集散の歴史といっても過言ではない。先々代「SAVINGS」は登場当初、食品を含まないラインアップで登場。そこへ「ノーブランド」が吸収される形で、「ニューセービング」がスタート。その間に、「愛着仕様」と言った、品質重視のカテゴリーのPB、「サリブ」「コルティナ」といった、日用雑貨/電気小物を扱うPBも登場、食料品では、以前からあった、「キャプテンクック」「うまさ発掘」といった、ワンランク上のクオリティー達成のためのブランド名もあった。

 ところが、ここ最近、「SAVINGS」ネームの取れてしまった商品や、今まで同一仕様で別ブランドであったものが「SAVINGS」に切り替わる、といった珍現象が多発しているのである。
 今回のデータ編で、(ブランドチェンジ)とかかれている商品があったことにお気づきだろうか?いちごジャムとオレンジマーマレードの2点である。詳しくはデータ編で見ていただくとして、こういった事例は他にもたくさん出現している模様である(食料品では、現在他で確認できていない。日用雑貨ではこの入れ替えがかなり多数発生していて、データが追いつかないのです・・・)。

 別にいじる必要性のないはずのブランド。むしろブランド名を違えることで住み分けもしてきたはずである。ところが、またしても統合の方向に向かっているのである。考えられる理由を挙げてみた。
 ・ブランドの統一感
 もはや、ダイエー自体が「SAVINGS」で埋め尽くされんとするばかり。そのなかにあって、いろいろなブランドの氾濫は、統一性にかける、ということで、弱小ブランドの改廃に走っている。
 ・ブランドの寡占化
 上の理由と重なるが、要するに最大派閥に成長したSAVINGSになっておいた方が、メーカーも安心するからと思われる。
 ・PB自体のクオリティアップ
 昔のSAVINGSは、安かろう、味まあまあで通してきた。一ランク上の味を狙うなら、他のブランドで、という具合に懐具合と舌のバランスが取れていた。しかし、現在のSAVINGS、特に冷食等は、かなりのクオリティである。ここにも「キャプテンクック」ブランドのものも混在するが、やはり今後は一本化は避けられないだろう。
 
 特に改変急なのは、日用雑貨/消耗品群である。ここはもともと、サリブ/コルティナ/SAVINGSと、すべてのブランドが入り乱れる混戦地帯。日用品担当の社員ですら、うまく把握できていないのが実情ではなかろうか(私なら、とりあえず、パニックに陥る。違いを説明しろ、なんていわれた日にゃ…)。だったら、ある一定のラインで統一するべき、ということで今盛んにブランドチェンジが行われているものと推察される。又、もっと「オタク」的な情報として、マークとして使われている「SAVINGS」にも異変が起きているのである。もともと、食料品とそれ以外を分ける意味合いで、IのところにSをデザイン化した色帯で、カテゴリーを区別していた時代が長年続いていた。ところが今年に入って、このカテゴリー区別までも統合される動きになっているのである(具体的には、日用品系も、新商品/ブランドチェンジ/リニューアル分から食品と同じ、Sの色帯がオレンジ。日用品用のそれはグリーンが使われていた)。

 「SAVINGS」が膨張しきった時の次の一手をどう考えているのだろうか?本当にこのまま行けば、PBスーパーマーケットになってしまいかねない。ダイエーの今後のPB戦略も目が離せない。
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