ダイエーオタク(?)・セーチャンの「SAVINGS」裏情報
  第10回:再生途上のダイエー様に一言!
 最盛期、400店近くあった直営店は、実にほぼ半減まで規模を縮小したダイエー。拡大施策・自前主義だけで失敗したとは言い切れないとは思うが、ここに来ての急速なリストラクチャリングは、急激な体力消耗を招かないか、と不安になる。
 さて、お気づきの方も多いとは思うが、ダイエーは、この12月をめどに、あの慣れ親しんだロゴマークなど、デザインを一新すると発表した。(詳しくは、ダイエーホームページでご確認ください)

 実は、この会社の経営陣そのものが、「中内イズム」にかなりの嫌悪感を匂わせていることにうすうす感じていた。その証拠に、「よい品をどんどん安く売る」というキャッチフレーズが、時代に即さない、とばかりに、行動指針という名前のお題目に変化したからである。
 創生期からある、「ダイエーグループのちかい」と銘打たれたその文言は、歯切れよく、3番目にあたる「人を愛し、店を愛して、日々美しい努力を続けます」というフレーズを超える社是に出会ったことがないくらいの名文といえた。ところが行動指針といわれる5項目は、それこそお題目でしかなく、たとえば、「すばやく結果を出す」「挑戦を続ける」といった陳腐な言い回しに終始している。
 そして、突如発表されたロゴマークのリニューアル。ダイエー発表の資料を読むと、『変革の意志を伝えるため、“変わっていく私たちのシンボル”として、ロゴデザインを一新することとしました』(抜粋)ということなのだ。

 現行ダイエーマークが制定されたのは、1975(昭和50)年。まだダイエーの規模は150店あるかないかといった時期である。この時期に、強烈ともいえる現行Dマークをデザインした人もさることながら、これを選んだ、当時の中内氏の先見性にやはり感銘を受ける。その昔のマークは、印象深いとはいえ、お堅いイメージ、そもそもスーパーストア的でなかったとも言われた。ただ、CI(コーポレート・アイディンティティ)という、当時やかましく言われていた企業イメージの刷新を図ったことが、以後の隆盛に拍車をかけたのは間違いない。

 「不安定の中の安定」を表現した、上弦の月。かげりが見られているからといって「企業の顔」といえるロゴマークにまで手を付ける、とは考えてもいなかっただけに、この変更はかなりショックである。そして、新規デザインされたマークは、なよなよしていて、威厳もへったくれも感じられない。確かに国の庇護の下で経営再建中とはいえ、ここまでへりくだる必要があるのか、と問いたい。会長が出たCMにも一言言わせてもらっているが、どうも、ダイエーは違う方向に向かっているような気がしてならない。
 →次回をお楽しみに!