OTOCAM World 辻まことの世界
このあと、私は手白沢温泉に足繁く通うようになる。
当時の手白沢では、辻さんが亡くなって間もないこともあり、しばしば辻さんのことが話題になった。
ガラガラッ。玄関を開ける音と共にイワナを持った辻さんが現れても不思議でない雰囲気が漂っていた。
食堂に飾ってある先代の肖像画、スイスのスケッチ、キツツキの彫刻や数々の思い出話に囲まれ休日を過ごしていた私も辻さんのファンになっていった。
「山からの絵本」私が最初に買った辻さんの著作である。
文明という名の魔物に犯され、失われていく山の自然や素朴な山の人々への挽歌とともにちりばめられた挿し絵や風刺に引き込まれていった。
私が最初に辻まことの著作に触れたのは高校生の時に近所の図書館で借りた「虫類図譜」である。そのころは昆虫採集に夢中で、「虫類」という言葉にひかれ借りて読んだのであるが、短い文と挿し絵の中に含まれる風刺に強い印象を持ったのを憶えている。
その時は辻さんの著作が他に無かったこともありそのまま過ぎていったが、その後何気なく行った手白沢温泉で再会し、辻さんの世界にのめり込んでいくことになる。
辻まことの著作の数々を紹介していきます。
辻まこと関係の小物を紹介します。
辻まことに関連した著作などを紹介します。