新聞は3割引きが相場に --知らずに損する定価購読者--
公正取引委員会が2002年3月から8月にかけて一般の消費者1千人に対して新聞購読の勧誘状況を調査したところ、値引きについては、約25%引きが相場となっていることが分かった。
調査結果によると、有効回答者926名のうち、398名が調査対象期間中に新規購読の勧誘を受け、そのうち、値引きを持ちかけられたのは138件に上った。具体的な条件を提示されたのは表にある85件で、最も多い条件は「1年契約で3ヶ月無料」(19件)であった。
同様に、調査期間中に、定期購読中の新聞について、集金時・契約更新時などに値引きを持ちかけられたのは46件で、具体的な条件を提示されたのは39件。最も多かったのは、やはり「1年契約で3ヶ月無料」(11件)であった。
新規の勧誘、定期購読に関係なく、25%程度の値引きが当たり前になっていることが分かる。この値引き分は、定価で購読している人の価格に実質的に上乗せされている訳であるから、律儀に値引き交渉もせず定価で購読している人が、いかに搾取されており、また、いかにおめでたい存在かがわかる。モノの価格が下がるデフレ状況のなかで、新聞代を平気で定価で払い続ける人は頭がおかしいと思われても不思議ではない。
「新聞業における特定の不公正な取引方法」の改正(1999年9月施行)によって、新聞の異なる定価の設定や定価の割引をしても、不公正な取引方法に該当しないことが既に法制化されており、値引き自体は全く問題がない。従って公取も「販売業者が購読者に無代紙(購読契約した新聞を一定期間無料で提供するもの)を提供する行為は,原則として値引き行為に該当する」として、値引き(無代紙)については、全く問題視していない。問題視しているのはモノ(高額な景品類)だけである。
しかし、かなり多くの新聞購読者が、値引きが合法的かつ当たり前のことであるという事実を知らない。いや、より正確には、メディアによる報道統制で、知らされていない。そして、電気やガスなどの公共料金と同じような感覚で、請求されるままに支払っている。新聞社にとっては、いいカモだ。
なお、モノ(景品類)の提供で価格別割合で最も多かったのは「2,001〜5,000円」(34.1%)であり、真ん中をとると3,500円程度ということになる(2,000円相当以上が公正競争規約違反とされるから相変わらず守られていない)。3ヶ月の契約で3,500円相当のモノを貰うとしたら、やはり25-30%引きだから、新聞の値引きは「2割3割当たり前」の世界なのだ。新聞は定期購読しないのが最良の方法であるが、もし宅配で読まないと気が済まない人がいたら、堂々と、3割引きを最低ラインとして値引き交渉していただきたい。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/02.november/02112903.pdf
※公取は、値引きではなく景品に焦点を当てているため、おそろしく分かりにくいまとめ方になっている。
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