自由連句通巻61「鴨の陣」の巻
起首 1999.12.02 満尾 2000.01.09
6100 釣人と岸を分かつや鴨の陣 海砂
6101 川面に重き橋脚の影 宗海
6102 トッカータとフーガ響けるドライブに 海砂
6103 旅行は楽し地図のうえでも 定規
6104 都会には決して来ない美酒佳肴 海砂
6105 朝食の鮭猫にまたがれ 無耶
6106 三校を終へても校了とは行かず 宗海
6107 やめた煙草を探るポケット 海砂
6108 自販機の赤ランプ冴え風強く みど
6109 凍つる舗道にきめるパ・ド・ドゥ 海砂
6110 一頻り人は群がり消えて行き 兼坊
6111 川の流れもかくのごとしと 宗海
6112 口ずさむ美空ひばりの懐かしく 無耶
6112 年毎にジングルベルも遠ざかり 次郎
6113 年だねなんて何を今更 兼坊
6114 スモッグの動体視力ゆれやまず 海砂
6115 水の分子に光きらめく みど
6116 マンモスが復活するかDNA 宗海
6117 Xファイルは閉じたままに 次郎
6118 開かれた大学教師多忙にて 兼坊
6119 アイロンかけるサンタの衣装 みど
6120 見ぃちゃったリースの下でキスしてた 海砂
6121 父ちゃんかっこいいと母ちゃん 兼坊
6122 大安を選びボーナス支給する みど
6123 スイートテンダイヤだとあほぬかせ 海砂
6124 賢いと思ってないので腹立たず 兼坊
6125 魔界外道も障礙するなし 海砂
6126 手術後は痛みと聖書消えており 次郎
6127 キムチ鍋なら辛さ忘れず 無耶
6128 目が覚めて再び扉押してみる みど
6129 やっと持ち家ずっとローンだぁ 真由
6130 火の用心風邪を引かすな早寝せよ 海砂
6131 Y2Kは外出禁止 兼坊
6132 時々は雪掻きぐらいしましょうよ 兼坊
6133 仏の道は掃除に始まる みど
6134 日短かジョギングの影細くなり 次郎
6135 少し増えたる晩酌の量 兼坊
6136 事始め風も着飾るルミナミエ 次郎
6137 拙者閑幽古りたセーター 閑幽
6138 来年は平成13年かと思い 兼坊
6139 蛇に怖じたる竜ここにいて 卯舟
6140 兎の年の尻尾ばかりとなりにけり 海砂
6141 幸せを呼ぶ右手大事に 無耶
6142 すねちゃった私の彼は左利き 兼坊
6143 南半球真夏なんだね みど
6144 海パンで中井貴一が腰を振る 卯舟
6145 ハワイの叔母は骨粗鬆症 閑幽
6146 エアロビを楽しむたびに筋痛め みど
6147 忘年会を欠席します 兼坊
6148 才覚の時雨て借りる軒もなし 次郎
6149 衝動買いのワインクーラー みど
6150 お歳暮の酒が今年はまだ来ない 兼坊
6151 てのひら返し経費節減 海砂
6152 ガソリンも灯油も高くなりにけり 兼坊
6153 初雪降りてストーブ燃やす 閑幽
6154 ベイビイーとサンタが踊るポンポコリン 次郎
6155 ちょっと静かに頭が痛い 兼坊
6156 筆ペンの先でのの字を書いている みど
6157 くしゃみ一発反故となる文 海砂
6158 ウオークマンポケベル友につなガール 次郎
6159 たまには空を眺めてみよう みど
6160 オリオンの三つ星うるむ霜の音 無耶
6160 絶え間なく降る雪顔を埋めるほど 兼坊
6161 読んで聞かせるグリムイソップ 海砂
6161 寒月負けずまろく輝く 閑幽
6162 ほかほかのあんまん抱え帰る道 みど
6163 駆け込み乗車で尾行ふりきる 海砂
6164 命賭け守って呉れるピカチュウも 無耶
6165 いるぼん文化はデパートにあり 宗海
6166 500ウォン硬貨を気兼ねなく遣い 兼坊
6167 プレミアムも付くパッシング 次郎
6168 歳末を飛行機手形飛んで行く 玄鴻
6169 イルミネーション寒風に冴え みど
6169 質は肝臓迫るシャイロック 海砂
6170 雨霰雷光るクリスマス 兼坊
6171 二歳児ばかり集うパーティ 海砂
6172 ルミナリエ季語にしようと第九鳴る 次郎
6173 ヘボンと呼ぶがわしはへプバン 海砂
6174 ご機嫌でじぐざぐ帰る赤ら顔 みど
6175 家苞に買う石焼きの藷 海砂
6176 今ごろは銀行強盗増える頃 兼坊
6177 捕らえてみれば又も身内で 次郎
6178 親戚が多いというのはよいことか 兼坊
6179 息をひそめてミレニアム待つ みど
6180 あの教団師走というのに騒がしい 閑幽
6181 紀元は二千六百六拾年 次郎
6182 君が代は戦争だけはやめましょう 兼坊
6183 地球見守る昴きらきら みど
6184 真夜中に花火見る馬鹿上げる馬鹿 卯舟
6185 回線混雑させてごめんね 兼坊
6186 ひとしほの暦開きや竜昇る 次郎
6187 家内安全商売繁盛 みど
6188 年賀状整理で元旦暮れにけり 兼坊
6189 ことし多きは定年の文字 宗海
6190 心身の不調も自慢の種になり 次郎
6191 氷嚢の氷浮かす自棄酒 玄鴻
6192 晴れ渡る佐久の平野をまさに過ぎ みど
6192 ボーナスを落としたままに歳が明け 閑幽
6193 途方に暮れて辿る畦道 宗海
6194 スキーしに来たはずなのに雪がない 兼坊
6195 押し寄せ来る寒稽古も声 次郎
6196 なないろのハーブリゾット粥代わり 玄鴻
6197 仕事始めに揃う風邪引き みど
6198 繰り上がる成人の日が骨休め 兼坊
6199 花も恥らうハタチの振袖 みど
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