最近の作品より

自由連句 (F1「ひろば」にて興行)




自由連句通巻63「春の海」の巻

起首 2000.02.25  
満尾 2000.03.29  

 6300 輝ける春の海をば越えゆかむ       みど 
 6301  ちらり横目にヘソの富士山       MO 
 6302 長閑かなる風に心を委ねいて       次郎 
 6303  四十雀きて蜜柑吸ふ庭         無耶 
 6304 ぱんぱんと布団叩きの威勢良く      みど 
 6305  老を養ふ部屋の日溜り         宗海 
 6306 なにはさてお茶には蕨餅の合ひ      無耶 
 6307  渋滞帰りに優しコンビニ        MO 
 6308 くっきりと月の光の凍てついて       みど 
 6308 台湾で車は運転したくない        兼坊 
 6309  いろは坂ならお手のものだと      MO 
 6309  お雛祭は家族揃って          無耶 
 6310 ぼんぼりの灯りを点す桃の花       次郎 
 6311  近づきにけりわが誕生日        兼坊 
 6312 台湾に杉の花粉は飛んでいる?      みど 
 6313  くしゃみ連発キョンタ先生       MO 
 6314 春ですよ世界がうきうきしています    閑幽 
 6315  こちらは雨が続いています       兼坊 
 6316 枯れ枝に柔らかな芽の現われて      みど 
 6317  鯛飯たいて山椒ちらして        無耶 
 6318 赤緑白に黄色のひなあられ        MO 
 6319  事故の原因信号無視なり        閑幽 
 6320 やれ車そこのけバスのお通りだ      兼坊 
 6321  手作りケーキ捧げ行進         みど 
 6322 呼び鈴を押せばピンポン「はい、どなた?」MO 
 6323  郵便配達ピンインの声         兼坊 
 6324 あくびして留守居を守る三毛の猫     みど 
 6325  無尾熊館は行列で見る         兼坊 
 6326 社やしろまた社なり壱岐対馬       宗海 
 6327  わんこ豆腐に人の波寄せ        無耶 
 6328 返る波どこの渚に行くものぞ       兼坊 
 6328 鞄よりぽとりと落ちる紐のあり      みど 
 6329  ロフト探して新大学生         無耶 
 6330 ままならぬ日は桃の花買い求め      次郎 
 6331  わたしゃ好物辛子明太子        MO 
 6332 食ってみて困った甘い腸詰は       兼坊 
 6333  空駆け巡る魔女の宅配         MO 
 6334 飛行機はインターネットで予約して    兼坊 
 6335  正座で過ごす十四時間         みど 
 6336 面壁を九年つづくる少林寺        海砂 
 6337  三日しめたる鯖がもてなし       みど 
 6338 ミカジメも力抜いたらみじめなり     みど 
 6339  いいじゃん革ジャンいかすじゃん    MO 
 6340 寒いから早口言葉でもしよか       兼坊 
 6341  四温の間に遊んでおこう        みど 
 6342 雨上がり途端に夏となりにけり      兼坊 
 6343  辛夷の花は今盛りなり         無耶 
 6344 沈丁花ぷんぷん香りを漂わせ       MO 
 6345  消臭剤のいらぬ御不浄         兼坊 
 6346 スキー場暖房便座は必須なり       MO 
 6347  尻を打ったる後の痛さよ        兼坊 
 6348 地下鉄の階段落ちに息を呑み       無耶 
 6349  家鴨の消えた庭に佇む         みど 
 6350 花々は開いて散って実りたる       閑幽 
 6351  漬物樽の香りふくよか         兼坊 
 6352 いかなごの佃煮春と届きけり       次郎 
 6353  この不景気に豪儀なお方        兼坊 
 6354 どっしりと上野の山に西郷さん      MO 
 6355  茣蓙の上では津軽三味線        みど 
 6356 初花に白星進上いたします        無耶 
 6357  名横綱は散り際を知る         次郎 
 6358 定年の文字センセイの辞書に無し     宗海 
 6359  老師と呼ばれるほど老いたか      兼坊 
 6360 空清め地を潤して春の雨         みど 
 6361  濡れて行こうか初雷の街        次郎 
 6361  寮の窓より覗く大山          宗海 
 6362 口ずさむ今は懐かし「なごり雪」     MO 
 6362 温泉は噛み付き湯とぞ名も高し      無耶 
 6363  水着しっかりガード固める       兼坊 
 6364 ハッカーになりて見たいは胸のうち    次郎 
 6364 アメフトの部員総勢50名        宗海 
 6365  増えるばかりの教員処分        兼坊 
 6366 生ゴミと資源ゴミとは分別す       閑幽 
 6367  三連休に心浮き浮き          みど 
 6368 雪柳ぽつりぽつりと咲き始め       MO 
 6369  車窓いっぱい霞む山並み        みど 
 6370 逢坂の関を越えれば京の春        次郎 
 6371  指南宮には躑躅満開          兼坊 
 6372 牡丹餅のゴマか黄粉か迷ひ指       無耶 
 6373  目盛り調整ヘルスメーター       MO 
 6374 占いと思えば狂っててもよし       兼坊 
 6375  調子はずれで歌うカラオケ       MO 
 6376 夜が明けて満員電車の憂鬱さ       みど 
 6377  アフターフイブは目元ぱっちり     次郎 
 6377  昔のことは忘れ朝寝す         無耶 
 6378 中年のおじさんばかりいる職場      兼坊 
 6379  一隅照らす水仙の花          みど 
 6380 選挙戦負けて非難が囂々と        兼坊 
 6381  かたや爆竹熱き台湾          MO 
 6382 取る人のない真夜中の電話なり      みど 
 6383  FAXの筈が声出て慌てる      唐辛子 
 6384 中国語だろうか何を言うのやら      兼坊 
 6385  真ん丸の月を眺める異国人       無耶 
 6385  ここらの猫は苗々(ミャオミャオ)と鳴く 海砂 
 6386 撫でられてヤオンヤウンと韓の猫     宗海 
 6387  春たけなわと恋のシーズン       MO 
 6388 まろやかな弦の調べにときめいて     みど 
 6389  ジャンヌモローの熟れし唇       宗海 
 6390 ジューシーなジューシエガオを食べました 兼坊 
 6391  謝恩会には豪華振袖          無耶 
 6392 家計簿に挿まれていた赤鉛筆       MO 
 6393  速達便でお祝いカード         みど 
 6394 誕生日びっくりパーティありがとね    無耶 
 6395  歌仙まるごと一人占めする       みど 
 6396 泣き虫がいつのまにやらガキ大将     MO 
 6397  算盤塾は煙草屋の上          みど 
 6398 自転車を漕ぎ行く夕暮れ花の色      MO 
 6399  待つや家族の団らんの顔        兼坊 



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