最近の作品より

自由連句 (F1「ひろば」にて興行)




自由連句通巻64「花の風」の巻

起首 2000.03.30  
満尾 2000.05.08 

 6400 花の風関八州を南より          無耶 
 6401  舞ひて迎える春宵の宴         みど 
 6402 銀の背に針魚は光運ぶらむ        宗海 
 6403  はたと膝打つアインシュタイン     MO 
 6404 子供らにあっかんべぇをして見せて    無耶 
 6405  雨だれぽたり濡らす袖口        兼坊 
 6406 また一つ山ができるか洞爺湖畔      みど 
 6407  テロップ流れる野球中継        MO 
 6408 故郷へ戻る列車の窓の月         みど 
 6409  田毎田毎にピンの目を出し       海砂 
 6409  やはり元気がいい小渕さん       無耶 
 6410 病むほどの激務なるらん宰相は      兼坊 
 6411  案じ顔して狙うドンの座        次郎 
 6412 口癖は中身が大事見掛けより       MO 
 6413  烏賊にごはんが詰めてあるとは     みど 
 6414 日の丸の弁当いささか痛みだし      無耶 
 6415  蚊も蠅も湧くおやゴキブリも      兼坊 
 6415  雪投げ場から融けし小流れ       海砂 
 6416 ゴルフだとホイホイ出かける日曜日    MO 
 6417  投票所には行きたかないが       兼坊 
 6418 留守番は十三七つのお月さま       MO 
 6419  過ぎし越し方巡る山姥         次郎 
 6419  鼠が誰何する鍵の穴          無耶 
 6419  手取り足取り独り綾取り        みど 
 6420 雨降れば外に出るのも億劫で       兼坊 
 6421  星座手帳を丹念に見て         みど 
 6422 発見は恋仲を割く天の川         MO 
 6423  オンドル部屋の広き独り寝       宗海 
 6424 帰国をば桜の精に促され         みど 
 6425  木槿のころに約す再会         海砂 
 6426 涙して読了古き物語           兼坊 
 6427  瞼に浮かぶ李朝残影          宗海 
 6428 鵲の文目ゆかしき青磁なり        無耶 
 6429  山葵染めなら伊豆の踊り子       MO 
 6430 故郷は地震噴火に見舞われて       兼坊 
 6431  西郷どんと花見だんごを        みど 
 6432 武蔵丸浴衣で犬の綱を引き        兼坊 
 6433  笑顔が良くてわたしファンです     MO 
 6434 弟がことに人気のY2K         宗海 
 6435  息長くあれ太陽のごと         無耶 
 6436 朝早く起きたときには昼寝して      兼坊 
 6437  花びらつけて帰るセールス       みど 
 6438 携帯の「あきまへんか」聞く小田急線   MO 
 6439  耳を疑ふ知事の妄言          宗海 
 6440 鷹の爪むきだしにして声荒げ       次郎 
 6441  紺のスーツは好きになれない      MO 
 6442 中庭に膝を抱える新入生         みど 
 6443  青葉若葉に雨は優しく         無耶 
 6444 遊牧の民は口琴つまびいて        みど 
 6445  仕事は人のいない間に         兼坊 
 6446 伊豆の宿魚料理は手間かけて       無耶 
 6447  秘伝のたれに紫蘇を一枚        みど 
 6448 花粉症目から新芽が萌えいづる      海砂 
 6449  霞む習ひの月にあらずや        兼坊 
 6450 高らかに最後の謎をば解き給へ      みど 
 6451  ミス・マープルは桜色の頬       MO 
 6451  その鳥の名をカルメギと言ふ      宗海 
 6451  スフィンクスを斃すエディプス     海砂 
 6452 なんのこと答は身近青い鳥        無耶 
 6453  海の彼方に幸いはなく         兼坊 
 6454 牧神のまどろむ丘に日は落ちて      みど 
 6455  にゃんこが招く気もそぞろなり     次郎 
 6456 孔丘は大酒のみと記されて        海砂 
 6457  比べてみたい酒呑童子と        MO 
 6458 漂いて花の盛りの島に着く        みど 
 6459  蝿の王生れ春のサバイバル       無耶 
 6460 ふつくらと山膨らみて穀雨なり      海砂 
 6461  朝の電車であっち向いてホイ      みど 
 6462 渦潮に大声投げて風光る         次郎 
 6463  初鰹来と市の顔役           無耶 
 6463  舵輪回せば響む沖鳥          宗海 
 6464 花も枝もシンメトリーにはなみづき    海砂 
 6465  雨を振うて受くる陽光         宗海 
 6466 洗濯も布団も干したさあ出発       玄鴻 
 6467  好色丸は女護の島へと         兼坊 
 6468 人喰の鬼とも知らでおもひあふ      海砂 
 6469  コル・カロリとは二重星の名      みど 
 6470 成人病とにかくものを食わぬこと     閑幽 
 6471  とてものことにご無理ご無体      海砂 
 6472 あの虹のふもとに宝あると言う      みど 
 6473  床の下には猫の抜け穴         無耶 
 6474 時は今若葉いっせい萌えあがる      次郎 
 6474 紙袋からっぽ慌てる和尚さん       MO 
 6475  どこかで魚焼いている夜        みど 
 6476 あづかりの宅急便の主はまだ       海砂 
 6476 藤房のまだ短くて江戸の春        無耶 
 6477  おぼろ/\と街は霞めり        閑幽 
 6478 恍惚は神の愛なりしゃぼん玉       海砂 
 6479  授けられたる意味もわからず      真由 
 6480 口痺ひの娘は知りぬ母の過去       宗海 
 6481  烏の巣にも鳴く七つの子        無耶 
 6482 ゴミあさる日々にもすっかり馴れました  みど 
 6483  糖尿病が心配のたね          海砂 
 6484 検査値や病探しが趣味となり       次郎 
 6485  同窓会は医者の大もて         海砂 
 6486 出席の葉書吸いこむ赤ポスト       みど 
 6487  親を何度もころしてしまうた      無耶 
 6488 口実にさるる災難猫と酒         海砂 
 6489  人質となる初めての旅         みど 
 6490 十四の次の魔の刻十七歳        唐辛子 
 6490 ガイド本手にして歩く二人連れ      真由 
 6491  上京ならばどんたく号で        梨乃 
 6492 閻魔にはいっかな利かぬ袖の下      宗海 
 6493  お土産にする夏の思い出        次郎 
 6494 静寂にリラの香りの溶け込んで      みど 
 6495  米取り戻す蝗つくだ煮         海砂 
 6496 釜茹での蚕の果ては油鍋         宗海 
 6497  中華料理の胃にもたれたる       兼坊 
 6498 うたた寝に猫の夢見る花の下       みど 
 6499  れんげみもざの戯るる野辺       海砂

 無耶16 みど24 宗海11 MO14 兼坊13 海砂17 次郎 8 玄鴻 1
 閑幽 2 真由 2 唐辛子 1 梨乃 1  以上110句




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