自由連句通巻65「きゆるきゆると」の巻
起首 2000.05.15 満尾 2000.06.24
6500 きゆるきゆると百舌鳥囀るや高枝に 宗海
6501 おたまじゃくしは育つまで待て 海砂
6502 留守電に入れたメロディ聞く人もなし みど
6503 ついの住処に灯のあたらしく 無耶
6504 食卓に春の苦味のひと揃い みど
6505 君は食えるかこの香菜を 兼坊
6506 スーパーの店員演じ緑魔子 無耶
6507 フィヨルドに散る月の細波 みど
6508 南国の椰子の葉陰に昼寝して 兼坊
6509 ジャスミン匂ふ五月うるはし 無耶
6510 遠出には短冊の束忘れずに みど
6511 UVケアも丹念にして 兼坊
6512 脱税と言われぬような節税を 真由
6513 あといくたびか母の日のくる 海砂
6514 岸壁にけふも来ぬかとこぬか雨 無耶
6514 傘打つはいとやわらかき雨の音 みど
6515 低う飛び交う駅のつばくろ 海砂
6516 そういえば十三日の金曜日 みど
6517 阿房列車の行く先は何処 無耶
6518 淡水の夕陽を一緒に見ませんか 兼坊
6519 黒猫迷子のはしり梅雨なり 閑幽
6520 赤い羽根せい〜のと声を浴びせられ 次郎
6521 寝ぐせの髪のつらき出勤 海砂
6522 新しき上着の似合う猫となり 無耶
6523 旅もう少し続けてみたい 兼坊
6523 ロマのリズムに腰を揺らして みど
6524 股旅の猫にしあれば齧る木天蓼 海砂
6525 駅白じろと更衣なり 海砂
6526 其処此処に新歓コンパの群がゐる 宗海
6524 股旅の猫にしあれば齧る木天蓼 海砂
6525 駅白じろと更衣なり 海砂
6526 其処此処に新歓コンパの群がゐる 宗海
6527 あいまい言葉交す優しさ 無耶
6528 貸す耳をもたぬ木耳半眠り 海砂
6529 火力勝負の中華飯店 みど
6530 尓好と謝々だけの膝栗毛 海砂
6531 乗っ取り犯の戻る故郷 みど
6532 椰子の葉の陰に遺体はころがりて 兼坊
6533 咽喉仏だけ拾ふ骨壷 無耶
6533 遠巻きにする鴉円陣 海砂
6534 これからはゴミを分別すると言い 兼坊
6535 深夜ラジオはバッハ奏でる みど
6536 買い貯めたCD余りにも多く 兼坊
6537 かたつむりにはなれそうもない みど
6538 携帯の電磁波に角とがらせる 無耶
6539 婦長の帽に三本の筋 海砂
6539 秘め事の味知らぬハンバーグ 次郎
6540 この頃の娘にもててゐる梅酒 無耶
6541 不思議なことに乱れないのだ 閑幽
6542 バカボンのパパはかわいいおじさんで 兼坊
6543 レレレの連の飛び出す祭り みど
6544 下駄の緒をすげる係が蹤いて行く 海砂
6545 狸御殿の舞七変化 次郎
6546 国会が明日解散となりて夜 兼坊
6547 朝飯ろくに喉を通らず 閑幽
6548 受け持ちの患者容態急変し 兼坊
6549 白衣の天使走る階段 海砂
6549 応急措置に借りる軒先 宗海
6550 何やらん魔物跳梁するらしく 無耶
6551 いそぎ召さるる阿倍ノ晴明 海砂
6552 新しい雨傘弾んで手鞠花 次郎
6553 ホームページに赤い糸張り みど
6554 増発の臨時列車のありがたさ 宗海
6555 北陸の町古き写真館 無耶
6556 古希迎え楷書の人のかな遊び 次郎
6557 やはやはと噛む早桃なりけり 無耶
6558 後悔は虫歯無視したその後で 閑幽
6559 薄日の照らす二階のテラス みど
6560 ポーチまで車乗りつけ朝帰り 無耶
6561 捨て犬らしきポチと命名 兼坊
6562 残飯を分け合う銀座ガード下 みど
6563 蚤は跳ねるは洟は垂らすは 無耶
6564 シラミダニ黴のはびこる我が庵に 閑幽
6564 行脚僧草の枕に合掌し 海砂
6564 初顔も紛れ込うだるゼミコンパ 宗海
6565 旅の師の声真似る先輩 兼坊
6566 附子といふ毒ぢやによつて食ふまいぞ 海砂
6566 持ち歌は一つ覚えの韓の歌 宗海
6567 子を寝かしつけ又もうたたね 無耶
6568 芍薬を迎えて古備前華やぎぬ 次郎
6568 雰囲気がいつの間にやらフインキに 宗海
6569 この鰻屋はいつも行列 兼坊
6570 養生に白焼もよし肝焼も 無耶
6570 養殖が一万円とは法外な 宗海
6571 ビタミンBは目に良いそうな みど
6572 真っ暗な夜突然の揺れしばし 兼坊
6573 大地なだめよ降り続く雨 みど
6574 水無月の文字はなんだかおかしいね 海砂
6575 南北会談水入らぬよに 無耶
6576 演目は四谷怪談ひゅーどろろ 兼坊
6576 お土産はトンイル・ピョナの珍島犬 宗海
6577 チケットながめつい緩む頬 真由
6578 六月の雨六月の街に降る 海砂
6579 肩組む友の熱伝え得ず 次郎
6580 休戦後初めて開くサムパルソン 宗海
6581 青空の下風に吹かれて 無耶
6582 洗濯は指差し点呼おこたらず 海砂
6583 近頃綱紀緩む警察 兼坊
6584 永いことお疲れさまと乾門 無耶
6585 あみだ籤なら文句あるめえ 海砂
6586 持成しは袱紗はらりと花菖蒲 次郎
6587 そう言われれば虎の模様も 無耶
6588 藪蚊めが羽音も憎く名乗り出て 宗海
6589 日焼けの肌のなお赤くなる 兼坊
6590 「おかえり」と暑中見舞いに只一行 みど
6591 中元返しは絵手紙の桃 次郎
6591 厚生省のお墨付きなり 閑幽
6592 ぎっしりと語りきれない思い出が 兼坊
6593 夏至のたべものうなぎ梅干し 海砂
6594 深川の清澄あたり三代目 無耶
6595 絵に描くごとくつぶす身上 兼坊
6596 夏痩せのベルトの穴を穿ちをり 海砂
6597 夜明け前に聞くセールスマンの死 次郎
6598 昨日こそその居酒屋で酒飲みし 兼坊
6599 医者匙投ぐる医薬分業 宗海
6599 ヒポクラテスに水虫の花 海砂
|