最近の作品より

自由連句通巻66 (F1「ひろば」にて興行)




自由連句通巻66「今日こそは」の巻

起首 2000.06.24 
満尾 2000.08.20 

  6600 今日こそは宗海さんの誕生日        みど  
  6601  水もしたたるみなづきの空        海砂  
  6602 あの人はきっと今頃神頼み         閑幽  
  6603  神風よ吹けここは神国          兼坊  
  6604 雨催ひシンキロウなど何処へやら      無耶  
  6605  飛ばせて見せう宰相の首         宗海  
  6606 早すぎる速報なれば眉に唾         兼坊  
  6607  鼓腹撃壌せねど太平           無耶  
  6608 甘酒に擦寄り鵺にしゃぶられる       次郎  
  6609  もうすぐ気ままな暮らしも終わる     兼坊  
  6610 海神は何故に揺さぶる三宅島        みど  
  6611  怒ってみたが呆れ引っ込む        無耶  
  6612 食いつめの総会ゴロに梅雨しとど      海砂  
  6613  傘さしかける懲りぬ奴ばら        次郎  
  6614 湿気にはからきし弱い体質で        みど  
  6615  炊事洗濯思いもよらず          兼坊  
  6616 誘拐の少女のことは忘られぬ        無耶  
  6617 リリリーンと無事を伝える電話鳴る     みど  
  6618  本場ライカを頼めばよかった       宗海  
  6619 新型のモデルチェンジは速過ぎて      兼坊  
  6621  PC−VANの消えるお知らせ      無耶  
  6622 台湾を間もなく俺が消える日に       兼坊  
  6623  環境団体胸を撫でおり          閑幽  
  6624 不景気が耐用年数延ばすなり        宗海  
  6624 晩夏光昨日のことは模糊として       海砂  
  6625  茗荷を乗せし冷奴なる          無耶  
  6626 ゆったりと箒構えて庭を掃き        みど  
  6627  おねしょ小僧が箕を被り来る       宗海  
  6628 汗をかくたびに水分補給して        兼坊  
  6629  入道雲がもくもくもくと         みど  
  6630 始まった列車連句の西東          無耶  
  6630 この席に引っ越ししてもよろしいか     宗海  
  6631  私の名前は浦島太郎           兼坊  
  6632 台風の波間に甲羅見え隠れ         みど  
  6633  お土産にする空の酒瓶          無耶  
  6634 ごみ箱にりんごでペットも大変だぁ    唐辛子  
  6635  もう幾つ寝ると繋ぎ放題         宗海  
  6636 手を握ることもタブーは昔にて       兼坊  
  6637  浴衣を着てもはだけ放しで        無耶  
  6638 携帯に三分置きにワンコール        みど  
  6639  iモードにて誘う俳諧          無耶  
  6640 通話量多きをボスはお喜び         海砂  
  6641  月夜の晩にすべって転んで        みど  
  6642 きりぎりす止まる白菜玉なりき       兼坊  
  6643  髭ぜんまいが回す歯車          宗海  
  6644 アナログとアナクロ悪うござんした     海砂  
  6645  モノラルで聞くモノトークなる      みど  
  6646 悠久の星の並びてつくる影         真由  
  6647  満潮時には新島動く           次郎  
  6648 綱を引く天の手力男の尊          海砂  
  6649  光化学には勝てぬ現身          みど  
  6650 塗りたくるUVカット誰の為        無耶  
  6651  活性酸素たぁ悪ルであったか       海砂  
  6652 梅雨明けて今年はくるか水不足       真由  
  6653  くるり絵日傘茶髪がのぞく        次郎  
  6654 城下町散歩コースはお堀端         兼坊  
  6655  藤の葉そよぐ朝の涼風          宗海  
  6656 夜をこめて鶏ガラスープ仕込みけり     兼坊  
  6657  原野に白い虹の渡りて          みど  
  6658 このところペットボトルは手放せず     宗海  
  6659  高校野球審判の汗            無耶  
  6660 ミスジャッジしても選手は抗議せず     兼坊  
  6661  ミスユニバースの張りついた笑み     みど  
  6661  高野連とは坊主の本山          海砂  
  6662 簪を買うた買わぬと訴訟沙汰        無耶  
  6662 どうする連などといふのがをりまして    宗海  
  6663  耳を噛まれてかんじるかんじる      海砂  
  6664 ひたすらにお経念じる琵琶法師       みど  
  6665  客を流行りの三味に取られて       兼坊  
  6666 津軽なる兄弟見目もうるはしく       無耶  
  6666 逆さまに馬といふ字を書かされる      宗海  
  6667  鹿と読まれる秋ぞかなしき        無耶  
  6668 風強く暦はたはた季を進め         みど  
  6669  稲葉山へと猫の旅立つ          無耶  
  6670 呼び戻す歌の三たびや峰の松        海砂  
  6671  曲名知らぬ着メロばかり         兼坊  
  6672 長話できぬ貧乏性なれど          無耶  
  6673  テレホーダイにネット集中        真由  
  6674 人気者なんて言われちゃ照れるなあ     兼坊  
  6675  背筋伸ばして旗持ちの叔父        みど  
  6676 眺むれば突き出た腹がまず見えて      兼坊  
  6677  太平洋に浮ぶ椰子の実          みど  
  6678 名も知らぬ遠き浜より巨大鉄        無耶  
  6679  小鳥並んで雲行きを見る         みど  
  6680 秋立ちて阿夫利山系くっきりと       無耶  
  6681  渋滞を過ぎ旧盆の里           みど  
  6682 伯楽は茄子の馬にも念が入り        海砂  
  6683  心ひとつにドーム踊るよ         真由  
  6684 十七歳いやといふほど輝ける        海砂  
  6685  夏惜しみつつ甲子園去り         無耶  
  6686 巻き戻すビデオ画面のあの笑顔       みど  
  6687  先制点となる初ヒット          兼坊  
  6688 校舎なき新制中学秋の空          海砂  
  6689  犬の声まで乾いて聞こえ         みど  
  6690 朝顔の大きさ西瓜のでっかさよ       無耶  
  6691  得意の喉で盆踊り唄           次郎  
  6692 漆黒の闇を背中にしょいまして       みど  
  6693  猫が世界を見張る真夜中         無耶  
  6694 天を向き動かぬジェットコースター     兼坊  
  6695  ニセコの風の冷たかりしこと       みど  
  6696 海底に届かぬ酸素もどかしく        無耶  
  6697  クニなるものがヒトを殺むる       宗海  
  6698 天も地も相呼応して変をなし        無耶  
  6699  一つ時代の終わらんとする        兼坊  




表紙に戻る