自由連句通巻67「新涼や」の巻
起首 2000.08.21 起首 2000.10.06
6700 新涼や湯上りに摘む足の爪 宗海
6701 白粉花の揺るる月影 無耶
6702 宿題は残り夏休みは終わる 兼坊
6703 浜辺に残る砂の城址 宗海
6704 朝まだきピカソの線画ひとりじめ 無耶
6705 クロワッサンはお熱いうちに みど
6706 ティファニーの飾窓には白い顔 無耶
6707 黒き大型犬と向き合う 兼坊
6708 終電にコントラバスの大あくび みど
6709 今何時ぃ?とタメグチで聞く 宗海
6710 インドでは九九と言わずに廿十 兼坊
6712 ポケモンのバッグ抱えて塾通い みど
6713 路地で真似するイチローの振り 宗海
6714 夏茶屋に草履三足笑い声 みど
6715 よくぞ倒産前の定年 兼坊
6716 毎日を裸で暮すいい男 無耶
6717 剣のさばきの麗しきこと みど
6718 花舞台若さ溢れる新世紀 無耶
6718 水不足雨に唄えばで踊りたい 次郎
6719 一期は夢よ享年四十 兼坊
6719 IT時代もナマがよろしい みど
6720 汗しつつ働く者の掌に 無耶
6721 夫君の訃報告ぐる留守電 宗海
6722 不意打ちの風に蝋燭なびきいて みど
6723 今度の旅は延期しようか 兼坊
6724 こんなにも命の塩が苦いとは 真由
6725 夢寐の中にも美味き赤貝 宗海
6726 新涼の風に託してお見送り 次郎
6727 去る者あれば来る渡り鳥 兼坊
6728 これよりは目守り賜へや星月夜 無耶
6729 蓮の寝床のかぐわしきこと みど
6730 幾世にも比翼連理と言ひ交わし 真由
6731 赤のまんまに露のほろほろ 無耶
6732 仔守宮のおぼつかなくも這ひ初めて 宗海
6733 求人を出す電信柱 みど
6734 四年制大学卒でいいですか 兼坊
6735 理科数学はとんと駄目なの 無耶
6736 ホーキング博士の皿を盗み見る 海砂
6737 猫が不憫で島を離れず 兼坊
6738 ペルム紀の化石は波に洗われて みど
6739 言葉遊びの季は巡り来る 次郎
6740 ずっしりと10円貯金一年分 みど
6741 次のツアーはどこにしようか 宗海
6742 老化粧とり澄ましたる今日の菊 次郎
6743 ギリシャ悲劇のコロスめでたく 無耶
6744 地謡のよおほっほーのかけ声に 兼坊
6744 傾国の歴史は美女のせいにして 次郎
6745 首都の紐はマルセイユにも 些考
6745 歴史の扉ぎぎぎーっと開く みど
6746 紋章に染みし血の色褪せやらで 宗海
6747 預言の巫女に聞く地震のこと 無耶
6748 曼珠沙華朱をもてあまし雲染める 次郎
6749 変わり果てたる我が故郷よ みど
6750 同姓の人多ければなつかしき 兼坊
6751 列車に坐る22時間 無耶
6752 名月が梢にのぼる風呂帰り 宗海
6753 お互い円く太りましたね 無耶
6754 打ち鳴らすカスタネットと細い足 みど
6754 ダイエット中性脂肪の量のせい 閑幽
6755 作柄気がかり案山子の寄り合い 次郎
6756 減反に青刈りやってられないね 兼坊
6757 豊作祭りの太鼓轟く みど
6758 鈴虫の声煩くて不眠症 閑幽
6759 明けの雲間を走る稲妻 宗海
6760 大風と大雨に暮れ大八島 無耶
6761 蝦夷が島には波風もなし 兼坊
6762 還暦の祝い一族打ち揃ひ みど
6763 小猿も赤い蓑を欲しがり 無耶
6764 山雀を飼ひ馴らしたる夢の中 宗海
6765 何処の親も悩む子育て 真由
6766 赤とんぼもういいでしょと袖をひく 次郎
6767 火宅の子らを救う方便 海砂
6768 親鳩が嵐の中を抱く卵 宗海
6769 苦労は嫌と増える独身 兼坊
6769 山頂目指すノアの箱舟 みど
6770 熊も亀も大きくなったポストペット 無耶
6771 実りの秋にダイエット忘れ みなみ
6772 書を閉じて秋刀魚の腸を食いに出る 海砂
6773 温め酒の二本で戯れ唄 次郎
6774 酔いどれの月が雲間に見え隠れ みど
6775 半袖パジャマで風邪声のひと 無耶
6776 咳すればトルコ桔梗のうなづいて みど
6777 草月流のまぜざし眺め あかね
6778 人がする裁きといえどあんまりな 真由
6779 無念の涙落とすつはもの 宗海
6780 夕立で新しい靴泥だらけ あかね
6780 前走る黄金の靴きらきらと 無耶
6781 稲の穂波を打つ道を行く 兼坊
6782 新しい小学校の光る窓 みど
6783 阿修羅の貌をうちに秘めたる 野猿
6783 火曜日は黒髪水になびかせて みど
6784 木魚を叩く日もアデランス 兼坊
6785 昼下がりバイクの残す土ぼこり みど
6786 美々しき蛸の舞ひ踊るらむ 野猿
6787 雨宿りあの雨カッパお召しなさい 無耶
6788 スヌーピーのハンカチじゃ駄目 兼坊
6790 お約束通りに秋は深まりて みど
6791 おほめしますと園児表彰 兼坊
6791 巣枝狭しと並ぶ鳩の仔 宗海
6792 親業も愉しからずや運動会 無耶
6793 気合ぞんぶん赤くなるほど みど
6794 この次は結婚そして双子をと 無耶
6795 あっちょんぷりけ知るや知らずや 野猿
6796 カウントについていけない我が手足 みど
6797 バスクベレーに赤いバンダナ 海砂
6797 赤い靴はき唇に薔薇 無耶
6798 華やかなカンカンに湧く歌劇場 みど
6799 フイナーレには熱き手拍子 次郎
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