自由連句通巻69「落ち葉」の巻
起首 2000.12.07 満尾 2001.02.09
6900 新しき落ち葉の道や風の朝 みど
6900 風のあさ銀杏は裸になりました みど
6901 通勤特快着ぶくれの混み 海砂
6901 けふから仲冬低い太陽 海砂
6902 雪国は当然のこと雪が降り 兼坊
6902 のろのろの車で帰宅遅くなり 兼坊
6903 白山はやも白くなりたる 無耶
6903 鱈ちり鍋は煮詰まっていて 無耶
6904 銀杏枯る年賀遠慮の葉書来る 次郎
6904 年の暮れ胃もごねていて捗らず 次郎
6905 墨色なれど散るは黄金葉 不藏
6905 この一歳の思い溜まらむ 不藏
6906 折り取りし薄はなほも残りゐて 宗海
6906 撮り溜めのデジタル写真苔生して 宗海
6907 霜凍りたる畑の寒さよ ○○
6908 お浸しに生醤油かけて朝餉なり みど
6909 秋田小町の肌に優しく 宗海
6910 新しき少将ここに参上す 無耶
6911 干支引継ぎしばらくの声 次郎
6911 彼の射止めしひとは教へ子 宗海
6912 誰であれ世界平和は家庭から 兼坊
6913 明太を買ふ光州朝市 海砂
6914 ラマダンの目つき鋭きトルコ人 みど
6914 かしましき聲飛び交ふはいずくも同じ 不藏
6914 戀心柵あれど眼に入らず 不藏
6914 むく起きのひとよろけして初氷 海砂
6915 新海苔裂きてかけ込む朝餉 次郎
6916 温むる酒は無けれど紅葉焚く 不藏
6917 遠鐘わたる柿吊りの軒 海砂
6918 キムジャンの母の両手は真赤にて 宗海
6919 牛一頭を食べ尽くす宴 無耶
6920 手打ちまで討ち入りそばで気合い付け 次郎
6921 はて播州はうどん名どころ 海砂
6922 糸によるものならなくに別れ道 兼坊
6923 落としものなど届いてますか? みど
6924 黄金の銀杏落ち葉を拾い上げ 無耶
6925 噂ばかりの冬の灯火 次郎
6926 それほどは忘年会の予定なく 兼坊
6927 家庭でホームページを作る 兼坊
6928 おぼえなき身にも写真のたまること みど
6929 記憶は徐々になくなりますが 兼坊
6930 さつぱりと冬木は秋を脱ぎ捨てて みど
6931 本日柚子湯銭湯に張り紙 次郎
6932 年の瀬の垢掻き落す極楽湯 不藏
6933 悪事が消える世紀はないか 兼坊
6934 兵役を終へて学ばむ日本語を 宗海
6935 PC房に語り合ふ春 無耶
6936 花の色もディスプレイでは移ろわず 兼坊
6937 海は真蒼に楽園の島 宗海
6938 くしゃみして北半球より客来たる みど
6939 経済摩擦はお一ついかが 兼坊
6940 極甘のチャイで動向占えば みど
6941 良くも悪くも歳の瀬の暮 無耶
6942 ボーナスは下がったけれど出たは出た 兼坊
6943 息子のぬったクリームの波 真由
6944 サンタには髭がなくっちゃいけないよ 兼坊
6945 年花生けて伸ばす足腰 次郎
6946 信楽の一際でかい瓶を置き 兼坊
6947 格子戸開けてただいまの声 みど
6948 旅衣脱ぎ捨て迎ふあらたまの年 不藏
6949 スキーウェアに着替え出発 兼坊
6950 足あげて露天に漬かる二日かな みど
6951 淑気漲る千世の大地 次郎
6952 初春の橋駈け抜ける駅伝子 無耶
6953 大和や十代大向こうの声 次郎
6954 凍て空を心はすでに韓の国 宗海
6955 キムチかハーブか七草の粥 無耶
6955 行く人帰る人喧騒の駅 みど
6956 蘭越の渓流焼きをご存じか 兼坊
6956 はだれ雪小路に残る仁寺洞 宗海
6957 あと百年は残る靴跡 無耶
6958 素晴らしき未来始めるこの佳き日 みど
6959 初雪の中成人の式 無耶
6960 旭川マイナス30度を越えて 兼坊
6960 ゼミ生の答辞添削頼まれる 宗海
6961 葷酒もとより許す学び舎 海砂
6962 何もかも忘れちゃったよ休み明け みど
6963 トルコ史学ぶボードうれしや 無耶
6964 清潔なトイレはないかチップなき 兼坊
6965 少しづつ飲むミネラルウォーター みど
6966 風邪の夜のビタミンCは手作りで 無耶
6566 二百年かけて涌き出す嶺の雪 海砂
6567 旅行グッズをまたも買い込み みど
6968 マフラーはいづくの雪に落ちにけん 宗海
6969 梢の猿の小蓑なるらん 海砂
6970 山奥に悪徳動物商の檻 兼坊
6971 死しては皮を残す大虎 無耶
6972 かみなりの妻が夜なべの針仕事 海砂
6973 フラメンコなら相当の腕 みど
6974 縮かみし背にやいとして日脚伸ぶ 次郎
6975 丹沢山塊春間近なり 海砂
6976 鴨たちの羽づくろひする水きらら 無耶
6977 朝の老爺の長き放水 海砂
6978 古きよき時代は胸に秘めおきて 兼坊
6978 予報士は残念そうに雪と告げ みど
6979 中止を告げる正月競馬 次郎
6979 地震心得記すマニュアル 宗海
6980 税金の払い戻しは致しません 兼坊
6981 つまみ食いして何食わぬ顔 宗海
6982 鶴と亀さんざ滑ったあとの道 みど
6983 はいさようならと父は去りゆき 無耶
6984 お悼みの言葉も無くて冬深し 次郎
6985 天より下る雪の階 みど
6986 白樺の並木にきらり光るもの 兼坊
6986 背中より見えぬ翼の生え出でり 梨乃
6987 先に往きたる子といだき合ふ 真由
6988 極楽か地獄かここは知らねども 兼坊
6989 雀ちゅんちゅん群れる米粒 無耶
6990 春立つやシニァコーラス声に張り 次郎
6991 桜前線沖縄に来る 兼坊
6992 ふんばって屋根の上なる守り神 無耶
6993 土産に貰うムーチーの白 みど
6994 さようならPC−VANと手を振って 兼坊
6995 チョコと近づくチョコ市の春 次郎
6996 軒先に意固地な雨の降り続き みど
6997 「女百話」に耽るひねもす 宗海
6998 喋り過ぎ疲れて後は言葉無く 兼坊
6999 千秋楽の花賑やかに みど
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