自由連句通巻70「梅香る」の巻
起首 2001.02/11 満尾 2001.05/18
7000 梅香る道を辿りてオペラの夜 みど
7001 朧の闇にひびく口笛 無耶
7002 バルコンにいとしき姫のかげもなし 薊子
7003 青のマントに残るかぎ裂き 宗海
7004 逮捕してびっくりあなたは検事殿 兼坊
7005 妻の身持ちを知らぬめでたさ 海砂
7006 恋猫のぷち家出また長引いて 無耶
7007 クシャミ花みずお天気姉さん 次郎
7008 おめざにはエビアン割りのシソジュース みど
7009 またもや昨夜飲み過ぎたので 兼坊
7010 鳩の目の憐れむような春の風邪 次郎
7011 七日見ぬ間に蕾ふっくら 薊子
7012 窓際に水栽培のヒヤシンス 兼坊
7013 子にやらされる自由研究 真由
7014 サザエさんあの頃父は強かった 兼坊
7015 食事の度に飛んだちゃぶ台 真由
7015 反戦歌とは知らずカラオケ みど
7016 上を向いて歩けば泪あふれきて 薊子
7017 杉の木憎し花粉の季節 みど
7018 青汁に余命託して利休の忌 海砂
7019 お水取りにと染める椿花 無耶
7020 三月は紅引く指のときめきに 薊子
7021 笊いっぱいの絹さやの待つ みど
7022 雛祭り息災なれや女の子 唐辛子
7023 土産たんまり祖父母到着 みど
7024 核家族一日だけの大家族 兼坊
7025 ラブレターには騙されぬこと みど
7026 嘘っぱち文は人なりなんてこと 兼坊
7027 五感全てを閉じ込めた春 みど
7028 卒業の記念は右のストレート 薊子
7029 ついでに貰う上着の釦 無耶
7030 初恋は思い込みから始まって みど
7031 最後の恋は思い思われ 無耶
7032 忘れれば鬼より恐いホワイトデー 薊子
7033 チョコはもらってないので気楽 兼坊
7034 遠い日の呼び声を聞く春の風 みど
7034 靴下の不揃いなのがキュートです 薊子
7034 遠い日の呼び声を聞く春の風 みど
7035 洗濯物の色鮮やかに 兼坊
7036 青空の果ては秩父か富士山か 無耶
7037 やがて落ちるという宇宙船 兼坊
7038 たんぽぽのお酒ほどよく引き締まり みど
7039 まわし乱れぬ魁皇の投げ 兼坊
7040 色白がほんのり染まる花ふぶき 無耶
7041 新人なればまずは場所取り 薊子
7042 おそろいの鞄に帽子靴までも 真由
7043 ガレージセールは今盛りなり 兼坊
7044 結構な土瓶に急須茶入れ買う 無耶
7044 三月のしほ煎餅はどっこいしょ 海砂
7045 噂話は聞かぬ棟梁 みど
7046 豆絞り背なの揚羽のをどるころ 薊子
7047 雪見花見の粋な両国 無耶
7048 成駒やぁ惜しむ声さえ届かざる 次郎
7049 ぐらりぐらりと揺れる春先 みど
7050 太股を鍛えよ膝が痛ければ 兼坊
7051 ランゲルハンス島と呼ぶ腸 海砂
7052 散る花を惜しみてけふの獨語かな 無耶
7053 しめやかに鳴る聖堂の鐘 みど
7054 西班牙の野に雨がふる木の芽どき 海砂
7055 風強き日に日本を発つ 兼坊
7056 しめやかに端座して聴くレクイエム 宗海
7057 梅若丸の母に花散る 海砂
7058 天人の寿ぐ春のみ吉野の みど
7059 冠の下増女笑む 無耶
7060 花過ぎのもの忘れして手を舞はせ 無耶
7061 煙草ふかして暗号解読 みど
7062 ホームズに倣ひて部屋は片付けず 薊子
7063 言葉遊びもイレギュラーなり 無耶
7064 日本にしばらく居ては打ち破り 兼坊
7065 いのち嬉しきオスカーの沙汰 海砂
7065 次はドイツで歌うテノール みど
7066 円安が$建てギャラに走らせる 海砂
7067 地に沁みわたる春の長雨 みど
7068 藤房のまだ短くて太鼓橋 無耶
7069 店先で焼く瓦煎餅 海砂
7070 繰り返し転んでばかりの達磨さん みど
7071 隠れん坊の鬼解かれざる 兼坊
7072 誰もいない黄金週間茶を立てて 無耶
7073 尾長は低く雨の公園 みど
7074 愛憎や薔薇に名づけしエゴイスト 海砂
7075 付き合いたくはない芸術家 兼坊
7076 変人も変革のひと若葉風 次郎
7077 私は風邪を引いて連休 兼坊
7077 素人目にも偽造と知れて みど
7078 憂鬱な月曜空は晴れ渡り みど
7079 眉深に冠るつば広の帽 海砂
7080 狂熱のタンゴはバレンティノに似て 無耶
7081 アランチャ香る故郷の丘 みど
7082 緑陰の匂いに傷を浸しいて 次郎
7083 猿も狸も人も温泉 みど
7084 徳利を真中にさしつさされつつ 無耶
7085 旅果たし得ず葉桜となる 次郎
7086 花ならば北海道はまだ盛り 兼坊
7087 松葉杖つく冬越しの客 みど
7088 薔薇咥えけんけんで踏む足拍子 次郎
7089 空を飛べたらほんに良いのに 無耶
7089 あさってに来る筋肉痛め 唐辛子
7090 ぼてぼての内野ゴロでもヒットです 兼坊
7091 カウチポテトは溜息ばかり みど
7092 眼を剥いて居直る鳩が卵抱く 海砂
7093 洗濯日和と人は言うけど みど
7094 又一つ歯科が殖えたる週予定 次郎
7095 みやこのたつみ鳩も鳴くなり 海砂
7096 五月雨の洗う猿山賑やかに みど
7097 ボタンの押し方先輩に聞く 無耶
7097 汗の匂いは青春の靄 唐辛子
7098 流し目は俺のことかよ花菖蒲 次郎
7099 雄虹雌虹の立つや坂の上 海砂
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