自由連句通巻72「盆唄に」の巻
起首 2001.07.30 満尾 2001.11.16
7200 盆唄に引かれて歩む闇の中 みど
7201 見真似の振りの揃いの浴衣 次郎
7202 新弟子となりて故郷を飛び出して 兼坊
7203 焼もろこしの匂ふ境内 無耶
7204 月しろの産土神や詣づらん 海砂
7205 舟漕ぐ人の弱冷房車 みど
7206 街むすめ諸肌脱ぎて闊歩する 次郎
7207 65円と水の昼食 みど
7208 丁寧に痛み入りますご改革 無耶
7209 曇天の日のプールの匂い みど
7210 裸にはちょっと涼しい風は秋 兼坊
7211 鳴門渡れば迫る踊り子 次郎
7212 間に合わせ応援団の賑やかさ みど
7213 ライトに負けぬ月の輝き 無耶
7214 右手には漁り火浮かぶ日本海 兼坊
7215 球児とともに伸びる青蔦 次郎
7216 路上には熱中症の犬哀れ 兼坊
7217 念仏衆にふるまう麦湯 みど
7218 南から北からやって来た我ら 無耶
7219 東冷西暑割り込む野分 次郎
7220 笹の葉はぐるぐる渦の中心に みど
7221 ダイエットだとパンダが走る 兼坊
7222 天高く肥え重力を実感す 無耶
7223 軽やかなるは鈴虫の声 みど
7224 物入りの秋かな車検保険料 兼坊
7225 訛りしのばせ番号案内 みど
7226 東路の道の果てからこんにちは 兼坊
7227 女神輿を囃して続く 次郎
7228 ひらひらと白いは秋の蝶々か 無耶
7229 楓の先はもうまっ赤っ赤 みど
7230 青空の高みにひょいと鰯雲 兼坊
7231 億の歳月飛ぶ鬼ヤンマ みど
7232 小倉山あれやこれやと百遊び 無耶
7233 坊主めくりの免許皆伝 兼坊
7234 目覚ましはいつ止めたやら昼の月 みど
7235 野分過ぎたもご存知なくて 無耶
7236 捨てるのが嫌でテレビは買いません 兼坊
7237 自転車で行く中州の釣り場 みど
7238 爪痕を残し台風テロ事件 兼坊
7239 牛も脅える闇の世の中 無耶
7240 いまさらに鎖国もならずグローバル 海砂
7241 風が掻き消す反戦の歌 みど
7242 無力感昔闘志も老いにける 兼坊
7243 白雪姫と五人の養子 みど
7244 長雨に打たれ林檎の赤い色 無耶
7245 じっと手を見る油屋の奥 みど
7246 働けど食えないから金貸してくれ 兼坊
7247 それでも秋の空は高くて 無耶
7248 列なしてポンペイに入る彼岸の日 みど
7249 12年ぶり難波歓喜す 唐辛子
7250 おずおずと扉あければ猫一家 みど
7251 ミュール鳴らしてコギャルの来やる 梨乃
7252 今度こそほんとにサヨナラ長嶋さん 無耶
7253 シニアのゲーム3の待たるる 海砂
7254 スポーツ紙とりどりなれど同じ記事 みど
7255 世界最速高橋尚子 兼坊
7256 相伴の団子で気付く今日の月 次郎
7257 平らか成らずと読ます平成 海砂
7258 今朝もまた錦松梅に涙する 無耶
7259 金木犀の忍び込む窓 みど
7260 そぞろ寒灸のけむりで鬱祓う 次郎
7261 冷やもいいけど燗も恋しい 兼坊
7262 もう若くないさと歌う2001年 みど
7263 やっとあなたも目覚めましたか 兼坊
7264 騒がしき世にもまた逢ふ菊人形 無耶
7265 ちちろの声のしみ入る夜長 次郎
7265 年賀はがきの予約受付け 海砂
7266 暗雲は未だ去らずや西の空 みど
7267 何を怒るか秋の雷 無耶
7268 温泉の外は逆巻く波しぶき 兼坊
7269 花言葉など呟いてみる みど
7270 トウナイトマロンケーキにワイン添え 次郎
7271 極細で編むベビーソックス 無耶
7272 疲れ目にけぶる川辺の朝時雨 みど
7273 鯉の好餌は舟和いも羊羹 海砂
7274 秋うらら十八番唄でる車椅子 次郎
7275 上向いて行く空は青々 無耶
7276 葦原に見え隠れする毛糸帽 みど
7277 机の下の猫触りたい 唐辛子
7278 やわらかき風にカーテンそよそよと みど
7279 二十歳ばかりの男のどかに 兼坊
7280 これはこれは今が考えどきなるぞ 無耶
7281 勇気を持ってNOと言おうよ みど
7282 逃走のラスカル渡る月の道 みど
7283 連句殺人事件見ちゃった 梨乃
7283 泪つめたく冬はもうすぐ 海砂
7284 入門書渡され困る迷探偵 無耶
7284 ともかくも荒れ惑う世に神戻る 次郎
7285 四駆うなって温泉宿へ みど
7286 咽喉深くふとした風邪のやや重に 無耶
7287 歎きの鼻に松茸の膳 海砂
7288 威勢よきセイタカアワダチソウを睨みけり みど
7289 秋の雀の群れて舌打ち 海砂
7290 木枯らしを聞いて眠りの国に入る 無耶
7291 世間に疎く初時雨聞く 次郎
7291 入浴剤は有馬温泉 海砂
7292 今更に恋の病のなつかしく 無耶
7293 声弾せてすれ違うひと 次郎
7294 戦闘もせずタリバンは撤退し 兼坊
7295 髭を剃りましょ床屋繁盛 梨乃
7296 乱れ髪被り物でもかぶりたい 無耶
7297 目覚ましかけて待つは流星 みど
7298 見るべきは見つ現し世の雪月花 海砂
7299 宙に遊びし一炊の間 次郎
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