《"二"賦物「双頭の竜」の巻》

(F2「まつり」にて興行)

★ 二十世紀最後の年に因んで"二"を意味する語句を用いて付け進めようという賦物連句です。二・双・両などの漢字をはじめ、ふぅ・ふた・りゃん・ツゥ・ダブル・ドゥなどの使用も可。同じ語句は四句隔てれば再度の使用も認めることにしてあります。




"二"賦物「双頭の竜」の巻 

 捌 無耶 
 起首 2000.01.02 
 満尾 2000.03.02 

   発句  双頭の竜に逢はむや年新た    無耶  新年
   脇    二日のとろろ嘉例なりけり   海砂  新年
   第三  春景色両下のあまりに月射して  縄文  三春/月
    四   水面に映る蝶の連舞      次郎  三春
    五  幼ならが諸手に抱く黄水仙    宗海  仲春
    六   ひいふうみよと数ふ歓声    うや  雑
 ウ  七  ラス牌の嵌りやん筒を自模あがり  砂  雑
    八   相合傘で戻る姉君       みど  雑
    九  胸元の不二の白雪解けやせぬ    耶  晩冬
    十   比翼の塚の跡に老松       砂  雑
   十一  御香料の金貮萬圓也は薄墨に    耶  雑
   十二   子が産まれてもダブルインカム  海  雑
   十三  軽井沢セカンドハウスに月円く   耶  三秋/月
   十四   再会約す鹿の鳴き声       郎  三秋
   十五  鉢の木をもて酒温め対酌す     砂  晩秋
   十六   次郎冠者まで召出す能      耶  雑
   十七  花散ると見しは番の蝶なりき    砂  晩春
   十八   二進も三進もならぬ春泥     郎  三春
ナオ
   十九  虎の子の倍々ゲーム虻蜂に     耶  三春
   廿    ツインタワーの興亡の夢     砂  雑
   廿一  頼られた挙句切られるナンバーツー 郎  雑
   廿二   共に鮎なぞ釣りし日もあり   野猿  三夏
   廿三  心太さしで会ふのは久しぶり    砂  三夏
   廿四   阿吽の仁王門前の町      玄鴻  雑
   廿五  副業の人力車曳く紺脚絆      耶  雑
   廿六   アベックさつさと腕を組んでく 閑幽  雑
   廿七  何もせぬはずがいつしか乙な気に  海  雑
   廿八   又の逢瀬は鶴渡る頃       郎  初冬
   廿九  銀盤のペアのワルツを夢に見て 唐辛子  三冬/月
   卅    歓喜のデュオを五輪で歌おう   砂  雑
ナウ 卅一  旗振ってバイリンガルの留学生   耶  雑
   卅二   続編もある珍道中なり      ど  雑
   卅三  この夏も阿房列車の複々線     耶  三夏
   卅四   夢にジオキシリボ核酸見る   真由  雑
   卅五  花ならば廿一世紀復たの花     耶  晩春
   卅六   二重初虹かかる青空      執筆  晩春

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字引:【数】二・ふう・りゃん・貮・ダブル・倍・ツー・バイ・ジ
   【組】双・両・連・相・合・諸・比・対・番・ツイン・共・差・副
      アベック・ペア・デュオ・複
   【順】セカンド・再・次・乙・又・続・復         
     (準・ドウ・デュエット・コンビ)    




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