賦物「巳年尽し」の巻
起首 2001.01.02 満尾 2001.01.27
発句 初夢に蛇の跳ねたる新世紀 みど
脇 辰巳芸者が紅の買ひぞめ 宗海
03 梅が枝の神籤はなにを祈るらん 海砂
04 水際立つたる躍進の筆 次郎
05 年男の男っぷりを見せて月 無耶
06 灸の効のそぞろ身に入む 薊子
07 紅葉して苫屋に過ぎた綾錦 海砂
08 ヘビーなロックに飽きたこの頃 ロコ
09 引出しへビニ本隠す十七歳 みど
10 けして開けるなとやぶへびの言 ロコ
11 細い脛いくらなんでも齧るなよ みど(スネイク)
12 靴箱の名に未練を残し 梨乃
13 山かがし僕には足は無いんだっけ 無耶
14 長く生きれば斧もくちなは 兼坊
15 仙人となりて耳まで遠くなり 無耶
16 絨緞で飛ぶ眉目よき乙女 次郎
17 蛇の目傘など貸しましょか雪の朝 無耶
18 髪おろしたるいまし恋ふらん 海砂(コブラ)
19 二枚舌あやつる日々を懺悔して 無耶
20 ヘービーチーデーなどと親爺は 野猿
21 湘南で人をうらやむ青大将 梨乃
22 そらしどけなくおどれミーハー 宗海
23 パラパラとみぞれが音を立てて降り 真由
24 炬燵の中の足の乱れて 無耶
25 生娘の嫌じゃ嫌じゃは素振りのみ 宗海
26 ABCはみんな知ってる 真由
27 秋刀魚には大根おろち欠かせない 海砂
28 青き蜜柑をめでる秋風 薊子
29 鳴く蚯蚓父さん探して月の穴 無耶
30 東の空へひくく雁が音 海砂(へび)
31 それがしの姓は猪口名はなにがし 宗海(くちなは)
32 はふり投げたる大刀の鞘 無耶(はぶ)
33 精力の源マムシドリンクで ロコ
34 耳の奥よりながむしが出る みど
35 花も実も吉と祝ぐ冬の虹 次郎
挙句 それじゃあまたね勿忘草よ 海砂
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