早朝IRC歌仙「朝寒や」の巻
起首 2001.10.20 満尾 2001.12.10
発句 朝寒や手帳に記す俳の文字 宗海 晩秋
脇 浅葱の空に残りたる月 無耶 三秋/月
第三 鮭たたき一撃飛沫く川の瀬に 海砂 三秋
四 デジカメぱっと熊を捕へる 耶 三冬
五 重き荷を奥の秘湯に解かむと 砂
六 こんな所にあつた指貫 耶
ウ七 来客を待たせ繕ふ乱れ鬢 砂
八 手配書になき黒子三つ四つ 薊子
九 新しい唄を覚える鸚鵡籠 砂
十 やさしきはそれ玻璃窓の雨 子
十一 戌の日の岩田帯締めつつがなき 砂
十二 白玉の蜜掬ふ白き手 耶 三夏
十三 短夜の嫦娥は低う渡りゆく 砂 三夏/月
十四 崑崙山脈明けて峨々たり 耶
十五 牢を脱け駱駝の瘤にまたがつて 砂
十六 鉄の掟にこの身捨て果つ 海
十七 僧形の青き頭に花散れば 子 晩春/花
十八 坐るばかりのふらここの丈 耶 三春
ナオ
十九 蝌蚪三つつ牛乳瓶に泳がせて 砂 三春
廿 代用教員握る鉄筆 子
廿一 青葉揺るうたごゑ運動野に町に 耶 三夏
廿二 どか弁に盛る鯨ベーコン 砂
廿三 年上の女に拾はれ二階住み 耶
廿四 ドレス百着靴も百足 耶
廿五 バービーの同好来たれドットコム 砂
廿六 アラブの王とマブダチとなり 耶
廿七 海越えて自家用絨毯マッハ1 砂 三冬
廿八 夜逃げ屋本舗商談成立 耶
廿九 気が付けば編笠越しのけふの月 子 三秋/月
卅 すすき波うつ銀のわたつみ 砂 三秋
ナウ
卅一 新しき七輪庭に秋刀魚焼くか 耶 晩秋
卅二 鼻唄まじりシェフの休日 砂
卅三 実験はフラスコ・ピペット・葉緑素 耶
卅四 乙女の祈り誰のピアノぞ 砂
卅五 花となり小鳥となつて輪舞する 耶 晩春/花
挙句 言葉の要らぬ友と春興 砂 三春
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