自由千韻「ばいばいBIGLOBE」の巻(5/5)
起首 2001.10.06 満尾 2002.07.14
0801 神様の肘枕して眠る洞 みど
0802 不老長寿の酒はどこかな 梨乃
0803 鶏鳴いて煙たなびく里の朝 みど
0804 ラジオ体操第二までして 梨乃
0805 夏休み宿題帖は真っ白け みど
0806 初めて判る徹夜の苦労 梨乃
0807 初産の犬の子五つとりあげて 海砂
0808 いまだ名前の付かぬ哀れさ 無耶
0809 贋作の猫這ひ上がる池の縁 宗海
0810 一杯やってご機嫌の春 無耶
0811 お勧めは韓国海苔のチーズ巻 宗海
0812 アーミーナイフ活躍のキャンプ 無耶
0813 隊列の後尾に提げる大薬鑵 海砂
0814 駱駝の瘤にのっと出る月 宗海
0815 御宿の浜に干し網宵越しに 海砂
0816 太平洋を独り占めして 無耶
0817 マンボウがぷかりと浮かぶ船の旅 宗海
0818 南極氷グラスに溶けて 梨乃
0819 見果てぬはアトランティスを探す夢 みど
0820 ポンペイ遺跡に立ち尽くす日 梨乃
0821 薄衣の踊り子あれは幻か みど
0822 遠く聞える龍たちの歌 梨乃
0823 先生はロイド眼鏡をずりあげて みど
0824 サバンナ駆ける白衣の男 梨乃
0825 バオバブの枝をかすめる細い月 みど
0826 ひとつのパンを犬と分け合い 梨乃
0827 しめやかに感謝の祈り家族の輪 みど
0828 手を取りあってあの子と踊ろう 梨乃
0829 先生の情事はいつも昼下がり 海砂
0830 踏まれ続けでずたずたの影 宗海
0831 慰めはハーフ&ハーフのジョッキにて 無耶
0832 座卓の下に隠す二合半 宗海 *二合半(こなから)
0833 ほろ酔いの翁を転かす座敷神 海砂
0834 うなされながら見続ける夢 宗海
0835 あと知恵に臍を噛むなり副領事 海砂
0836 あそこで帽子を拾うたばかりに 無耶
0837 放映で世界が嗤ふお人好し 宗海
0838 法律語では脱国といふ 海砂
0839 かの国のメルトダウンももう間近 宗海
0840 鼠逃げ出す泥舟となり 無耶
0841 絵はがきの風景胸に染み入りて ロコ
0842 風さわやかに自転車の行く みど
0843 長年のペーパー歴にさよならを ロコ
0844 やっと来た来たカメルーン勇士 梨乃
0845 いにしえの出島に香を買い求め みど
0846 端居に涼む清洲の妻 宗海
0847 つつましく天使の喇叭聞きほれて 無耶
0848 ジャンヌダルクは今年十六 宗海
0849 日ノ本の八百屋お七は三五なり 無耶
0850 火の粉混じりに降れる富籤 宗海
0851 世直しはえらいやっちゃと宵々に 無耶
0852 猫も恋する廓界隈 海砂
0853 居残りがしょんぼりと喰ふ皿の飯 宗海
0854 深川宿にはやる心中 無耶
0855 突然に異国の人の乱入し 無耶
0856 だしぬけに聞く彼のアドレス 宗海
0857 白夜から日出づる国にもの申す 海砂
0858 最後の王はトランプの中 無耶
0859 マジックのお披露目をする船の旅 宗海
0860 赤い線など見えぬ赤道 海砂
0861 そのかみの遊子悲しむ歌舞伎町 宗海
0862 帽子とられて否応もなし 海砂
0863 頼まれてお供になった鬼が島 無耶
0864 犬猿雉に三毛が助太刀 宗海
0865 これやこの集団自衛権と解釈 海砂
0866 敵はいづこにフーリガン狩 無耶
0867 飛車落ちの将棋フランス臍を噛み 宗海
0868 ひと目でわかる光頭の人 海砂
0869 ヘディングは髪に悪いのお母さん 宗海
0870 キムイルといふレスラーがゐた 薊子
0871 寝ころんだ敵に手こずるプロボクサー ロコ
0872 オジギソウにも理のある みど
0873 かなしみは背後からくる青時雨 海砂
0874 鉄鉢捧げ辻にたたずみ 無耶
0875 朝夕の六字名号ひたすらに 宗海
0876 プリマヴェーラの唇に花びら 無耶
0877 残雪の代掻き馬を遠く見て 薊子
0878 息せき切って蜂捕りの老 海砂
0879 鶴脛に残る三里の灸の痕 宗海
0880 亀の背中に何を占ふ 無耶
0881 七福の軸をフリマで買ひ叩き 薊子
0882 焼きそば山盛りスチロール皿 宗海
0883 学園祭飛び入りをするフラメンコ 無耶
0884 茶髪はいないゼミの後輩 宗海
0885 就職の人気企業の走馬灯 薊子
0886 向ひも名前の同じ銀行 宗海
0887 ゼロ幾つ付けば気が済む預金利子 薊子
0888 貸し渋りやら貸しはがしやら 海砂
0889 ニッポンの沈没告げるムーディーズ 無耶
0890 塩爺様のごまめ歯ぎしり 宗海
0891 ゴム臭き歯科技工士の指太く 野猿
0892 あの驚愕の7月を見よ ロコ
0893 すくすくと育てよ稲と赤ん坊 梨乃
0894 末はワールドカップの勇者 みど
0895 日本までこれましぇーんとロシア人 梨乃
0896 うすら汚れた友好の家 みど
0897 この利権ムネオちゃんから貰ったの 梨乃
0898 諸行無常の鐘は陰々 みど
0899 玄海の灘に漂う花と塵 梨乃
0900 あやしの舟が波を蹴立てて 海砂
0901 酔ひ止めをマッコリで呑む釜山港 宗海
0902 三つの指に入る熟れエイ 海砂
0903 瓶詰めになって名物味気なし 宗海
0904 お取り寄せして贈る粟稗 無耶
0905 茄子の花意見の親ははや亡くて 海砂
0906 無駄ばかり出る今日の仕事場 宗海
0907 鉋屑透かして見ゆる世の形 無耶
0908 ひたひた寄るは少子化の波 宗海
0909 受験子を特別講座に日曜日 海砂
0910 味見させたり香をかがせたり 宗海
0911 恋を捨て板場の修行法善寺 海砂
0912 赤提灯に晴らす哀愁 宗海
0913 サポーターの頬に日の丸髪に青 無耶
0914 道頓堀にドボンドボンと 海砂
0915 釈迦様は飢ゑたる虎に身を捨てし 宗海
0916 あんまりうまくはなかったぜえい 無耶
0917 植毛は一本一本植ゑる筈 無耶
0918 援軍来たらず胸毛脛の毛 宗海
0919 天竺へ長途の棒と孫悟空 海砂
0920 空に掌かかげるは誰 無耶
0921 豪華船自由の女神過ぎなんと 海砂
0922 ポアロが髭を一捻りする 宗海
0923 銀幕の中に二十歳の我もゐて 薊子
0924 ラストシーンはサーカスの屋根 宗海
0925 虫の音の露営のリリーマルレーン 海砂
0926 がくり崩れる細い首筋 宗海
0927 老犬の最期看とりて明け易き 海砂
0928 空の餌皿の残るつれづれ 宗海
0929 カタログのロボットペットうち眺め 海砂
0930 帆船模型また欲しくなり 宗海
0931 さまざまなロープワークのおもしろき 海砂
0932 登山の技で泥棒稼業を 無耶
0933 脱税もへそくりもある庭の瓶 宗海
0934 濡衣かつぐ小栗上野 海砂
0935 わいわいと徳川埋蔵金ごっこ 無耶
0936 陰陽五行風水の相 宗海
0937 村おこし温泉掘って当てべえか 海砂
0938 原人騒ぎはもうこりごりじゃ 無耶
0939 饅頭のこの焼き鏝の間の悪さ 海砂
0940 思案の果てのトンパ文字なり 無耶
0941 フォートランコボルにCにベーシック ロコ
0942 厚底眼鏡くもるラーメン みど
0943 早食いは命を賭けて稼ぐもの 梨乃
0944 それにつけてもテレビに出たい ロコ
0945 屋根裏の朝は雀で賑わって みど
0946 バスの遅れはキッチリ五分 梨乃
0947 水無月の水滴つけたランドセル みど
0948 冷蔵庫には冷やしスイカが 梨乃
0949 無人店トウモロコシの実の太り 宗海
0950 秋川街道はや秋の色 海砂
0951 大屋根の囲炉裏に下がる自在鍵 宗海
0952 誰も教へぬ山菜の代 海砂
0953 愛犬に松茸の香を覚えさせ 宗海
0954 外つ国にては豚の嗅覚 海砂
0955 悪食とあだ名呼ばるる身の因果 宗海
0956 巨にして肥なるいとほしきひと 海砂
0957 フェリーニの世界に心惹かれ行く 宗海
0958 映画少年還暦となる 薊子
0959 道玄坂百軒店を陣として 海砂
0960 絶対会えない待ち合わせ場所 ロコ
0961 織姫の窓辺を飾るテルテル坊主 みど
0962 向こう岸にはおいでになるか 梨乃
0963 朝風に花弁震わす蓮の花 みど
0964 路地に飛び出す腕白坊主 梨乃
0965 梅雨晴れの自由研究店めぐり 無耶
0966 地震の予知に据ゑる水槽 海砂
0967 溝道に迷ひ込んだる大鯰 宗海
0968 百關謳カ嘆く失せ猫 海砂
0969 せめてこの麦酒一杯飲ませばや 無耶
0970 知覧飛び立つ白いマフラー 宗海
0971 蛍の今宵もひとつふたつみつ 無耶
0972 露の命のわが恋めやも 海砂
0973 手摺れある万葉集の文庫本 無耶
0974 栞に挟む萩の押花 宗海
0975 中央線シルバーシートに生身魂 海砂
0976 お迎へ頼む携帯の声 宗海
0977 お稽古は洋舞日舞のお嬢様 薊子
0978 頭の痛い明日の顔見せ ロコ
0979 幕間の蕎麦屋の仕切り手際良く みど
0980 柳のなびく木挽町河岸 海砂
0981 路上学同好会員募集中 宗海
0982 中将湯の姫の濡れ髪 海砂
0983 曲り道一日二本のバスを待つ 宗海
0984 玉蜀黍の無人スタンド 海砂
0985 目隠に千代紙使ふひと工夫 宗海
0986 年増ざかりの稽古屋の三味 海砂
0987 ありがたや鰻八目と喰はされて 薊子
0988 首尾上々に運ぶ金策 宗海
0989 町内のサッカー場は三角で 無耶
0990 シニアチームは十五人制 海砂
0991 ころころと笑ふおさげのボランティア 宗海
0992 車椅子から立ち上がる父 無耶
0993 沈黙は金といえども不満顔 ロコ
0994 転勤族の暮らす山の手 みど
0995 同居する相手はやっぱり猫がいい ロコ
0996 葉唐辛子を添えて弁当 みど
0997 公園の池で競ったボートレース ロコ
0998 首をふりふり整列の鴨 みど
0999 花の散る銀河鉄道ステーション 梨乃
1000 さらば地球よVANを飛び立つ ロコ
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