歌仙「花合歓や」の巻
衆議判 起首 2000.07.14 満尾 2000.08.11
発句 花合歓や講義終へたる下り坂 宗海 晩夏
脇 青鳩の声けふも優しく 無耶 三夏
第三 城跡に鯨波の声の思はれて 海砂
四 ふねをこぎつつめくる広報 真由
五 莢茹でのささげ噴きをる窓の月 砂 初秋/月
六 やちむん皿の魚文やや寒 耶 晩秋
ウ
七 口ずさむおもろさうしに砧うち 砂 三秋
八 戸揺する風の約束の刻 耶
九 提灯に拵へられし針千本 砂
十 百夜通ひも腹の立つこと 耶
十一 不覚さの少々とても思ひ詰め 砂
十二 相伴煙草でばつを合はせる 海
十三 蒟蒻の凍りついたる月の講 耶 晩冬/月
十四 総立ちとなる震度六弱 砂 三冬
十五 連合の思ふほどには伸びぬ票 海
十六 神様佛様とおろがむ 耶
十七 人同じからず花見の大喧嘩 砂 晩春/花
十八 長堤越ゆる競漕の声 海 晩春
ナオ
十九 初孫のおよびの先にゆれる凧 由 三春
廿 デジカメの中パソコンの中 耶
廿一 学生に介護実技のむつかしさ 砂
廿二 数え歌にて手とり足とり 耶
廿三 どつと湧く満座の中の罰ゲーム 砂
廿四 おふたりさんにキスのご所望 耶
廿五 ジミ婚を心得顔の料理店 砂
廿六 夏の思い出尾瀬の駆け落ち 耶 三夏
廿七 たまだから自然もいいと言えるのね 由
廿八 ネオンの海とITの山 砂
廿九 これがまあ終の住処と月の窓 耶 三秋/月
卅 夜食をあさる戸棚がたぴし 砂 三秋
ナウ
卅一 お手玉に小豆を入れるそぞろ寒 耶 晩秋
卅二 いちれつらんぱん破裂したそな 砂
卅三 父さんは正露丸しか効かないと 耶
卅四 四十路過ぎてもオタク三昧 由
卅五 花咲いてミジンコに化り竜に化り 耶 晩春/花
挙句 天長節は紅白の菓子 砂 晩春
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