早朝IRC歌仙「糸瓜百回忌」の巻
起首 2001.09.15 満尾 2001.10.20
発句 あめつちのあはひに糸瓜百回忌 ふ良 仲秋
脇 虫時雨聞く六尺の床 無耶 三秋
第三 寝待月頃合ひなりと盃伏せて 海砂 仲秋/月
四 隣の梯子借りる約束 耶
五 降りられぬ木登り猫のをかしさに 砂
六 蜜柑転がる卓袱台の上 みど
ウ七 鐘の音の冴えわたりたる京の暮 耶 三冬
八 四人姉妹が揃ひ眉描く 砂
九 「あの人」と記す日記は鍵付きで ど
十 空に凛々しき千尋の白龍 梨乃
十一 すずしさの野山を満たす月の色 耶 三夏
十二 羊のドリー寝かせ明易 砂 三夏/月
十三 熊楠の遺品に混じる天眼鏡 宗海
十四 見えないものを見ることの妙 耶
十五 料木にひそむ観音彫り出だし 砂
十六 儂がやらねば誰がやるのだ 海
十七 花嵐鞍馬天狗と謳われて 耶 晩春/月
十八 夜明は近いおそ春の山 砂 晩春
ナオ
十九 火も土も匂ふばかりに登り窯 耶 三春
廿 手打ち饂飩をかつきりと切る 海
廿一 ままごとはお下げの母が取りしきり ど
廿二 眉毛描かれた犬を侍らせ 砂
廿三 ジグザグに進み停滞する台風 ロコ 初秋
廿四 休戦成りしモニターの月 薊子 三秋/月
廿五 オリーブの実を摘むことの急がれて 耶 晩秋
廿六 チェックメイトにかけるラビ僧 砂
廿七 窓辺より習ひの琴の密やかに ど
廿八 雪より白き指にこがるる 耶 晩冬
廿九 マスクして口裂け女かもしれず 砂 三冬
卅 トイレに潜む花子しくしく 耶
ナウ
卅一 黒米をためす学校実験田 砂
卅二 タイムカプセルまたひとつ増え 耶
卅三 蝿叩きそんなにむきにならずとも 砂 三夏
卅四 介護のイロハ手擦り脚擦り 耶
卅五 常ならぬ浅き夢にも花の散る ど 三春/花
卅六 鑼の響きに揺るる陽炎 海 三春 ※鑼(どら)
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