早朝IRC歌仙「初霜柱」の巻
起首 2001.12.01 満尾 2002.01.19
発句 幾度も初霜柱ふみにけり 無耶 初冬
脇 半ズボンから寒い膝小僧 海砂 三冬
第三 牛乳壜山茶花一枝飾るらん 無耶 初冬
四 正午のチャイム告げる有線 砂
五 だんまりの稽古は月の出と決まり 耶 三秋/月
六 焼きもろこしの醤油香ぐはし 砂 仲秋
ウ
七 酸漿の赤きをかつぐ裏参道 耶 三秋
八 大正ロマンしのぶ柄行 砂
九 横顔の痩せに陰より手を合はせ 耶
十 合格祈願の茶だち塩だち 砂
十一 見ン事に花は咲いたか開いたか 耶 晩春
十二 春うららかに滝の白糸 砂 三春
十三 おぼろ月女坂からゆらゆらと 耶 三春/月
十四 おばんざい炊く匂ひ漂ふ 砂
十五 大黒は廓育ちの細い腕 耶
十六 庫裏の柱の磨きこむ艶 砂
十七 ペチュニアとベゴニアばかり売れる市 耶 三夏
十八 胸にとまらす蝉のぬけ殻 砂 晩夏
ナオ
十九 探検は安達太良山の向うまで 耶
廿 めがね描かれた犬を家来に 砂
廿一 股上が短いジーンズ大流行り 耶
廿二 たて臍よこ臍で臍ごま臍 砂
廿三 ともかくもよくぞ女に生まれける 耶
廿四 糸瓜の花が十四五ほどに 砂 三夏
廿五 韓くにのスキンミルクはひりひりと 宗海
廿六 企画会議は吸殻の山 薊子
廿七 夕方に髭剃る男囃されて 砂
廿八 晩婚なれば情けいや増す 薊
廿九 月まどかダブルインカムノーキッズ 砂 三秋/月
丗 新葡萄酒の入荷待ち詫び 薊 晩秋
ナウ
卅一 川霧の帯横たはる多摩郡 砂 三秋
卅二 土器の破片のパズルめきたる 薊
卅三 副葬の瓔珞いまに底光り 砂
卅四 秘めて見するな父祖の遺言 耶
卅五 梅若の恋し隅田の花衣 砂 晩春/花
挙句 蝶もつれゆく里の夕暮 耶 三春
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