早朝IRC歌仙「小正月」の巻
起首 2002.01.19 満尾 2002.02.23
発句 剣玉の指になじむや小正月 海砂 新年
脇 鳥総松にも風のやはらか 無耶 新年
第三 笑ひ顔ひとつ増えたる団欒に 薊子
四 襁褓干しつつうたふ賛美歌 砂
五 良夜には入れ替り来る猫の庭 耶 仲秋/月
六 米の相場を下げる豊作 砂 晩秋
ウ
七 これがまあ植民地などと露知らず 耶 三秋
八 メード稼業もすでに三年 宗海
九 郵便馬車来る頃あひは忙しげに 薊
十 手袋投げる恋のいざこざ 砂
十一 王子泣くアルトハイデルベルヒの日 耶
十二 ジョッキに残すさよならの紅 海 三夏
十三 蛸を喰む歯の健やかに夏の月 薊 三夏/月
十四 魂売ってめぐる地獄湯 耶
十五 影のない男が通る日照雨 砂
十六 狐のこんと鳴く里の夕 耶 三冬
十七 餅花の肩に触るればゆらゆらと 砂 新年/花
十八 ウイーンフィル聴くあらたまの年 耶 新年
ナオ
十九 蝋燭を吹き消す五本誕生日 砂
廿 象もキリンも猫も侍らせ 耶
廿一 遺されし江戸のつくりの雛飾 砂 晩春
廿二 文化文政春の賑はひ 耶
廿三 菜の花の道中笠は弥次と喜多 砂 三春
廿四 蚤も虱もお草臥れなり 耶 三夏
廿五 白いのはDDTに炭疽菌 みど
廿六 郵便局は仮の庁舎で 砂
廿七 女坂駆け下りて行く待合せ 耶
廿八 手を握り合う新月の頃 ど 三秋/月
廿九 川の字の中に寝る姫長き夜 砂 三秋
卅 虫を愛づるも愛あればこそ 耶 三秋
ナウ
卅一 老臣の隠居勧める鳩の杖 砂
卅二 九十九坂ゆく腰のしたたか 耶
卅三 信玄の隠し湯の宿初時雨 砂 初冬
卅四 デイアハンターのひとり黙然 耶 三冬
卅五 銃声の切り裂く花の大虚空 野猿 晩春/花
挙句 墨色光るとんび凧揚げ 耶 三春
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