《二十世紀カウントダウン連句「ミレニアム」の巻》

No1.(0001〜0200)

(朝夜定例OLTおよびF5「おると」にて興行)

★1999年11月21に始められた、二十世紀の閉幕を記念するカウントダウン連句「めざせ二千韻”ミニレアム”」の巻が満尾しました。初めはは2000年12月31日を目標にしていましたが、付け進める中にすっかり熱が入り、僅かふた月の間に二千韻の完成を見た次第です。今世紀に起こったさまざまの出来事を素材に織り込みながら巻き進められた"現代版大矢数(おおやかず)俳諧"ともいうべきこの作品をどうぞご鑑賞下さい。




二十世紀カウントダウン連句「ミレニアム」の巻(1/10) 

  勝手付 
起首 1999.11.21 
満尾 2000. 1.28 


0001 神無月千年紀とて暮れにけり        野猿
0002  活断層に美しき霜            玄鴻
0003 自由圏共産圏を隔つらん          鶴鳴
0004  左で書けど文字は縦書き         縄文
0005 弓張に金の鏑矢添へやりて         蘭石
0006  渡り鳥にも条約があり          玄鴻
0007 爆発をテーゼと掲げ芸術祭         蘭石
0008  エッフェル塔はパリっ子の夢       玄鴻
0009 各国の首脳が集う基地の島         ロコ
0010  アポロの夢をボイジャーが継ぐ      梨乃
0011 王の恋遂げざりしもの遂げたもの      玄鴻
0012  雄鷹山に眠る九ちゃん          鶴鳴
0013 レコードに黒人霊歌吹き込まれ       玄鴻
0014  ベルリンの壁ついに崩壊         蘭石
0015 CMのカップラーメンおいしそう      玄鴻
0016  寿司もケーキも回す商魂         野猿
0017 買い物は車に乗って郊外へ         ロコ
0018  靴下だって強くなるのさ         みど
0019 女子大生で売れた昔がありました      蘭石
0020  バブルな頃を熱く語りぬ         野猿
0021 アトムより少年ケンが好きだった      梨乃
0022  少女漫画で人生を知る          みど
0023 オスカルよ世界史100点ありがとう    ロコ
0024  天気予報は衛星頼り           梨乃
0025 TVのチャンネルやたら増えてまた     蘭石
0026  豊かなんだか今のニッポン        野猿
0027 木乃伊にも治療方法あるのやら       みど
0028  交換臓器はクローン作成         ロコ
0029 献血も献体もして花の下          蘭石
0030  何が残るか進歩と調和          梨乃
0031 ポックリがサンダルと化す和洋魂      宗海
0032  リボンで飾る上げ底の菓子        海砂
0033 本当はいい人だった越前屋         真由
0034  イヌだちょんだと哀れ県警        無耶
0035 迷い箸馳走たっぷりありまして       縄文
0036  烏ばかりが子孫繁栄           宗海
0037 ぼくのあの万年筆はどこだらう       海砂
0038  日の丸掲げ文士自決す          みど
0039 地下洞の兵は敗戦など知らず        宗海
0040  南の島に開発の波            蘭石
0041 ビキニ環礁核と水着に名をのこす      海砂
0042  色の黒いはだっこちゃんなり       宗海
0043 ぐるぐると回れば虎はバタになる      みど
0044  日中国交だれの手柄に          縄文
0045 大統領の次は富豪の妻の座に        蘭石
0046  No.5が寝間着がわりよ        みど
0047 ノーリターン河に漂う花筏         海砂
0048  惜しい人ほどみんな早世         宗海
0049 白鳥の歌はせつなくハスキーで       無耶
0050  缶詰持つて公演の旅           みど
0051 ドミンゴの音声落とす梁の塵        海砂
0052  ぴんと跳ねたるダリの口髭        宗海
0053 芋虫の身を持て余す春の朝         みど
0054  年金財政逃げ水のやう          海砂
0055 首都停電Y2Kかと早トチリ       唐辛子
0056  鵺が羽ばたく紫宸殿の上         海砂
0057 戦終へ現人神のパナマ帽          縄文
0058  中継で観たケネディ暗殺        唐辛子
0059 あの月のかけらを僕は持っている      みど
0060  静かの海に足跡の旗           蘭石
0061 雪男君はパンツをはいてるかい       宗海
0062  ゴジラ怒って又も登場          無耶
0063 臨界の東海村に雨が降る          蘭石
0064  双子ばかりの落花生掘る         縄文
0065 きんさんと呼べば応へるぎんさんが     宗海
0066  生涯二度もハレー彗星          海砂
0067 震災は関東福井阪神に           海砂
0068  戦争知らぬ子ども幸せ          無耶
0069 マイホームブームで高度成長期       蘭石
0070  2x4は揺れに強いと          みど
0071 親亀の保険会社が倒産し          宗海
0072  バブルは弾けるものとこそ知れ      海砂
0073 お立ち台ディスコでフィーバーナンバかな  蘭石
0074  きのこの傘で平和ぼけする        次郎
0075 激突も出来ますブルーインパルス      縄文
0076  変わり身早き福祉参入          海砂
0077 大東亜などといふ字が見え隠れ       宗海
0078  全共闘とはなんだったのか        蘭石
0079 陥落の時を刻みし時計塔          宗海
0080  ニセアカシアの薫る黄昏         縄文
0081 待つ人の来ないことこそ劇的で       みど
0082  この岸壁に響け汽笛よ          卯舟
0083 氷山は大西洋を漂いつ          唐辛子
0084  SOSは世界最初と           梨乃
0085 風船に乗って小父さんどこ行った      宗海
0086  葵の御紋万病に効く           縄文
0087 自転車のお転婆大正デモクラシー      海砂
0088  汽笛鳴らして新橋を過ぐ         みど
0089 鎌倉の夜寒に虚子と万太郎         海砂
0090  いろはにほへと筆塚の塵         宗海
0091 円本も百科辞典も飛ぶように        無耶
0092  紙切れドルの竜巻が来る         次郎
0093 セビリアで暗殺された皇太子        みど
0094  会議は踊る維納の夜           海砂
0095 権謀と言ひ術策と呼ぶしたたかさ      宗海
0096  革命に散る花アナスターシャ       海砂
0097 階段を空しく下る乳母車          宗海
0098  海原の底大和沈みぬ           宗海
0099 闇深く浮かぶ地球は青かった        みど
0100  声は弾むよ私はカモメ          宗海
0101 ヴェニスにて見初めし金髪美少年      みど
0102  カサノヴァの漕ぐゴンドラの歌     唐辛子
0103 宝塚少女歌劇の雪月花           海砂
0104  宇宙に星の数多輝く           縄文
0105 初キスはプラネタリュームの席でした    海砂
0106  同じ時代に生きる幸せ          みど
0107 風雲のヨゼフ一世戴冠す          海砂
0108  今蘇るエリザベート妃          無耶
0109 欧州に黒い幽霊彷徨ひて          海砂
0110  雨夜のジャズに酒の物憂き        海砂
0111 映画にも総天然色のあざやかに       無耶
0112  だぶだぶズボン髭のチャプリン      海砂
0113 赤狩りのスパイ狩りのと怖ろしく      無耶
0114  スタインベック怒る野葡萄        海砂
0115 あの街を越えれば自由と櫂を漕ぐ      みど
0116  壁に斃れし人は幾人(いくたり)     宗海
0117 台湾の朝驚かす大地震           海砂
0118  どさくさ紛れのカップラーメン      卯舟
0119 髪切りて企業戦士と名を変へる       宗海
0120  おだてにのつたわたしばかよね      海砂
0121 歯磨きは朝昼晩と欠かさずに        みど
0122  則天去私を悟る湯の宿          宗海
0123 海近きマリコの部屋のむかご飯       縄文
0124  カラオケ好きな移民一世         みど
0125 紅白が終わるまでには帰りたい       梨乃
0126  初詣にはプリウスに乗り         無耶
0127 道順はあなた任せのナビゲーター      宗海
0128  素っ頓狂なハイジャッカーなり      海砂
0129 キューバではカストロさんがお待兼ね    無耶
0130  首相夫人に不意のおめでた        宗海
0131 お祝いがホームページに5万通       海砂
0132  プレゼントにもメールオーダー      無耶
0133 コンビニが金融業も兼ねまして       宗海
0134  きっと始める勝ち馬投票         海砂
0135 輸出にはテレビゲームとアニメあり     無耶
0136  メカに手を焼くチェスの名人       宗海
0137 テポドンが桂馬跳びする日本海       海砂
0138  景徳鎮は桐の箱入り           縄文
0139 花嫁の父は未だにおかんむり        真由
0140  ダブルインカムこども作らず       無耶
0141 この年もパックツァーに明け暮れて     宗海
0142  オリンピックガイムはシドニー      海砂
0143 焼畑は自然任せのアボリジニ        みど
0144  戦勝祈る雄叫びの舞           海砂
0145 各国の帆船つどひ登艢礼          海砂
0146  横浜港に冬日燦燦            無耶
0147 海底の王国めざしダイビング        ロコ
0148  三体合体六変化ロボ           鶴鳴
0149 空を飛ぶヤマトと潜るやまとあり      梨乃
0150  黒猫さんは足がお早い          みど
0151 宅配で送る各地の特産品          ロコ
0152  年賀印刷のぞき見る月          鶴鳴
0153 日記初362日白             縄文
0154  ルール無視する新成人で         梨乃
0155 永遠にImagineきみの歌声を        野猿 
0156  ベッドの中で平和アピール        みど
0157 アメリカの星はドーナツ大好きで      ロコ
0158  体毛剃ったスイマーが金         玄鴻
0159 実況は絶叫と読む放送局          縄文
0160  人権なんて絵に描いた餅         玄鴻
0161 占いがやたらに流行る先進国        みど
0162  ノストラダムスは責任をとれ       ロコ
0163 災厄はチェルノブイリに訪れて       野猿
0164  ペットボトルが浮かぶ南極        玄鴻
0165 酸性雨ふりそそぐ中渡り鳥         みど
0166  オゾン破壊す缶のスプレー        ロコ
0167 人類の手に握られるものは何        野猿
0168  遺伝子操作のネギをたっぷり       みど
0169 夕食は冷凍食品チンをして         ロコ
0170  アトピーの児のごはん悩める       野猿
0171 杉の木は並んで花粉飛ばしおり       みど
0172  規制などでは減らぬ排ガス        宗海
0173 エネルギー転換できぬかCO2        海砂
0174  太陽と風の力を競わせて         無耶
0175 薬害も選択肢だと利口者          次郎
0176  シーラカンスは太古夢見る        みど
0177 海賊の髑髏Tシャツいまむかし       海砂
0178  眼下に潜むUボートなり         宗海
0179 行く先が同じ道だとストーカー       次郎
0180  落葉を踏んで画家の扮装         縄文
0181 明智君この綿飴を恋人に          みど
0182  金閣寺なら僕が焼いたよ        唐辛子
0183 ほろ酔いの赤シャツ野だいこ月の道     海砂
0184  裸足で走った42.195キロ      次郎
0185 かろうじてエボラ熱をばくいとめて     みど
0186  砂漠に消ゆる薔薇の盗賊         梨乃
0187 炎熱をロンメル麾下の戦車隊        海砂
0188  岩塩坑に名画ざくざく          無耶
0189 時として事実は夢をのりこえる       縄文
0190  最古の人間遂に見つかる         無耶
0191 今どきの若い者はと壁画して        海砂
0192  猫も逃げ出す銀座のネズミ        みど
0193 こんにちは無人契約自己破産        次郎
0194  故障の時計二度は正確          縄文
0195 00に動作の狂うコンピュータ       みど
0196  カンピューターで監督の意地       無耶
0197 リベンジの後に大金待っている       縄文
0198  旅順開城祝ふ提灯            海砂
0199 国のため生めや殖やせや三兄弟       次郎
0200  一と九条課題持ち越す         じろう

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