《朝OLT歌仙「野天風呂」の巻》   満尾

(F5「おると」にて興行) 




歌仙「野天風呂」の巻 

衆議判  
起首:2000.09.29  
満尾 2000.11.25 

   発句 秋晴や多摩一望に野天風呂      海砂 三秋
    脇  まんまる月の昇る俳席       宗海 仲秋/月
   第三 くつわ虫轡をとりて鳴かすらん    無耶 三秋
    四  持込み酒の回し飲みする       砂
    五 とっときの瞬間芸が馬鹿な受け     海
    六  カンカン帽はどこへいったか     耶 三夏 
 ウ  七 お母さん僕の亀の子いないよお     砂 三夏
    八  お堀の中にゆれる街灯       真由
    九 くちづけを初めて交すこの夕べ     海
    十  青僧の手の荒れもいとしき      耶 三冬
   十一 マフラーにハートマークを編み込んで 薊子 三冬
   十二  身をすり寄せる猫のめし時      砂
   十三 金送れそれしか言わぬどら息子     由
   十四  終の住処の山に囲まれ        耶
   十五 手びねりの技もやうやく境に入る    海
   十六  ちびた茶筌はお勝手に下げ      砂
   十七 夜咄の月はいづこに花明り       耶 晩春/月花
   十八  春の別れに残す足跡         海 晩春
ナオ
   十九 蝦を干す浜一面をくれなゐに      砂 晩春
    廿  繰言ばかり爺の円い背        耶 
   廿一 遠巻きの大道芸が炎噴く        海
   廿二  誉れも高き氷人ハチ公        砂
   廿三 注文の多い華燭の宴となり       耶
   廿四  レアなワインのやうな純愛      子 
   廿五 彼にしかきすをさせないソープ嬢    由
   廿六  鉢の金魚がぷかり泡噴く       海 三夏
   廿七 縦メシと横メシ別れ昼休み       砂
   廿八  舞ひ散る枯葉のせる三日月      由 三冬/月
   廿九 煤払ほどほどにして高鼾        子 仲冬
    卅  鬼笑ひだす来年の夢         耶
ナウ 卅一 棒鱈は錦の路地に品定め        海 三春
   卅二  つらつら椿子守娘の唄        砂 三春
   卅三 ジーアイの便り来らず燕来て      子 仲春
   卅四  丘にのぼれば海の恋しき       耶
   卅五 大虎が檻に寝そべる昼花火       海 晩夏/花
   挙句  お祭つづくライトスタンド      由 晩夏



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