早朝IRC歌仙「聖五月」の巻
起首 2001.05.12 満尾 2001.07.21
発句 聖五月鳥語草語を語らんか 無耶 初夏
脇 虹に跳びのり目指す遠山 海砂 三夏
第三 工房に帆船模型組み上げて 宗海
四 キャットウオークで猫は伸びする 耶
五 桂男の十三ななつ凛々しくも 砂 三秋/月
六 ぐりりとおろす鉢の自然薯 海 三秋
ウ
七 やや寒の作務衣の袖をたくし上げ 耶 晩秋
八 縹色したうなじほつそり 砂
九 うつむいて大江戸線で逢引に 耶
十 盲導犬がカフェにくつろぐ 野猿
十一 また少し穴広げたるオゾン層 薊子
十二 シャトル便にて降りる凍月 耶 三冬/月
十三 遥かなる聖夜の灯しうちまもる 砂 仲冬
十四 仮装のままで古本を売り 耶
十五 フリマには金鵄勲章なども出て 砂
十六 祖母の話の長くなる縁 耶
十七 口づけを野守は見ずや花の下 砂 晩春/花
十八 紫の袖振ればかぎろひ 耶 三春
ナオ
十九 鴉さへ阿呆阿呆と修羅の春 子 三春
廿 雌伏十年倒す宿敵 真由
廿一 ハンドルはやじろべえなる出会ひSIG 砂
廿二 飲みかけコーラ栓をしたまま 海 三夏
廿三 繰り返しジャズコピーする地下の街 耶
廿四 忘れた傘は行きつけの酒肆 砂
廿五 噛み割れば磯の香の立つ海老の殻 海
廿六 礼儀正しきピアス少年 砂
廿七 悪霊と知りつつ鏡に誘はれて 耶
廿八 復讐劇をどてらにて書く 薊 三冬
廿九 月光に雪の面映えて窓あかり 砂 晩冬/月
卅 汚れ無き子に聖画ほほえむ 由
ナウ
卅一 羅ものに張りたる乳をもてあまし 耶 三夏
卅二 こんがらがつた京都議定書 砂
卅三 サッカーの共催国に影の差し 由 三冬
卅四 大七の眸に映る青雲 砂
卅五 めでたやな花も言祝ぐ万馬券 由 晩春/花
挙句 とにもかくにも春はうららか 執筆 三春
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