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《作品賦物「月祭る」の巻》

(F5「おると」にて興行中)

★少女漫画家の大島弓子と萩尾望都の作品を素材にした賦物連句です。定例夜OLTのメンバーが興に乗って一回のオルトの間にたちまち半歌仙を巻き上げてしまいましたが、好評につき継続興行の運びとなりました。




大島弓子&萩尾望都
作品賦物連句「月祭る」の巻

  勝手付 
起首 2000.10.01 

  発句 月祭るすべて緑になる日まで      蘭石(すべて緑になる日まで)
   脇  残酷な神支配する秋         鶴鳴(残酷な神が支配する)
  第三 鳳仙花ぱんとはじけてマニキュアに   みど(ほうせんか・ぱん)
   四  あたしの家はここにあったの     野猿(ロスト・ハウス)
   五 雨の音悲しみをみな消してゆけ     蘭石(雨の音がきこえる)
   六  貧血気味の妹が待つ         みど(ポーの一族・ドイツ編)
   七 お茶受けはバナナブレッドプディングで 梨乃(バナナブレッドのプディング)  
   八  妖精だって平和を望む        みど(みんなでお茶を)
   九 父さんは倒産しても父さんよ      野猿(毎日が夏休み)
   十  運命まわるラセンの彼方       梨乃(モザイクラセン)
  十一 ソランジュのまなざし遠く過去を見る  みど(ジョカへ・・)
  十二  卵の中の銃を撃つ音         野猿(エッグ・スタンド)
  十三 乗り換えの駅のホームを照らす月    梨乃(トーマの心臓)
  十四  凍える土に接吻をする        みど(罪と罰)
  十五 猫の目の中の湖すういすい       野猿(サバの話)
  十六  阿修羅戦う千億の夜         梨乃(百億の昼と千億の夜)
  十七 花のごと彼は歌いし星々に       みど(銀の三角)
  十八  一角獣と黄金色の凧         野猿(X+Y)
  十九 金髪の草原向こうにビルの街      梨乃(金髪の草原)
   廿  絶対男になってやるんだ       みど(11人いる)
  廿一 おとなりの宿題係は狼さん       野猿(裏庭の柵を越えて)
  廿二  何を映すの赤い瞳は         梨乃(スター・レッド)
  廿三 夕飯はこんにゃく虫の煮込みなり    みど(いちご物語)
  廿四  謝肉祭から逃げてどこまで      野猿(メッシュ  謝肉祭)
  廿五 貧乏を誇る雑草物語          梨乃(雑草物語)
  廿六  月は晧々転がるキャベツ       みど(キャベツ畑の遺産相続人)
  廿七 加速度がついて老婆になりにけり    野猿(八月に生まれる子ども)
  廿八  路地に転がる古靴かたっぽ      梨乃(かたっぽのふるぐつ)
  廿九 宙を舞う手に入らない青い鳥     唐辛子(青い鳥)
   卅  ノートに書いた空想の人       ロコ(F式蘭丸)
  卅一 隣りにはいつも私がもうひとり     野猿(半神)
  卅二  死んだこの身で片付けできず     梨乃(四月怪談)
  卅三 どうしても母は猫にはさわれない   唐辛子(綿の国星)
  卅四  鏡横切るイグアナの影        梨乃(イグアナの娘)
  卅五 帰りたい梨の花咲くあの家へ     唐辛子(訪問者)
  卅六  海に向かって叫ぶ父と娘       ロコ(さよなら女たち)
  卅七 ベリンモン漂いながら宿探す      みど(海のアリア)
  卅八  七月七日に明かす正体        ロコ(七月七日に)
  卅九 家にいるボクの兄ちゃん宇宙人     梨乃(あぶない丘の家) 
  四十  クローンでまた蘇る恋       唐辛子(A−A')
  四一 教えてよ秋萩になる術あらば      野猿(リベルテ144時間)
  四二  缶けりの日の遠い思い出       ロコ(野いばら荘園)
  四三 小夜の縫う浴衣はとんぼの模様入り   みど(小夜の縫う浴衣)
  四四  死を思い食うケーキ8つめ      野猿(雛菊物語)
  四五 またあとでダイエットすればいいんだから ロコ(ダイエット)
  四六  ファインダーより想いを込めて    梨乃(この娘売ります!)
  四七 月凍てるキラを吐き出す病める森    みど(マージナル)
  四八  逢魔が刻につのる妄想        野猿(たそがれは逢魔の時間)
  四九 くり返し海の底から貴方のもとへ    梨乃(マリーン)
  五十  フランスママの斬新な策       みど(夢虫・羊草)
  五一 音楽を紡ぐコンピューターの愛     野猿(ラーギニー)
  五二  おりしもそのときチャイコフスキーが ロコ(おりしもそのときチャイコフスキーが)
  五三 きっとなるある日勇気が満タンに    野猿(ヒー・ヒズ・ヒム)
  五四  あいつは旅に出ているだけだ     みど(アメリカン・パイ)
  五五 二代目の猫は心のセラピスト      梨乃(グーグーだって猫である)
  五六  生まれなかった兄が囁く      唐辛子(アロイス) 
  五七 夢に見たあの石段の上のドア      ロコ(つるばらつるばら)
  五八  湖畔の家に秋の訪れ         みど(秋の旅)
  五九 泣いていいだって僕は8才だから    ロコ(夏の夜の獏)
  六十  ふたりでやっと一人前だ       野猿(4/4 カトルカース)
  六一 同じ声響く夜更けの教会に       みど(セーラヒルの聖夜)
  六二  天使に貢ぐ寄付金の山        ロコ(山羊の羊の駱駝の)
  六三 いちめんが猫のトイレの地をめざし   野猿(綿の国星  ペルシャ)
  六四  きのこ料理は毒見してから      梨乃(ぼくの地下室へおいで)
  六五 甘過ぎのクッキー夜中に土に埋め    ロコ(夏の終わりのト短調)
  六六  舌で探すは路地裏の店        みど(ケーキケーキケーキ)
  六七 キムチ入りコロッケ供える命日は    梨乃(帰ってくる子)
  六八  フォークダンスを遣り残してた    野猿(秋日子かく語りき)
  六九 同じ名のスーパースターが気にかかる  ロコ(ジギタリス)
  七十  ドラムたたきはアラブ人なの     梨乃(メッシュ 苦手な人種)


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