宮沢賢治賦物半歌仙「月の船」の巻
勝手付 起首 2000.10.08 満尾 2000.10.08
発句 天気輪の柱は高し月の船 蘭石(銀河鉄道の夜)
脇 梨をもぎ取りホモイにんまり 鶴鳴(貝の火)
第三 セロの音帰る燕に贈りゐて 縄文(セロ弾きのゴーシュ)
四 どんぐり拾う山猫と僕 みど(どんぐりと山猫)
五 火山へとグスコーブドリは歩み行く 鶴鳴(グスコーブドリの伝記)
ウ 六 谺はめぐる朱鷺の羽音と 蘭石(若い谺)
七 夏の日を米と味噌とでしのぎけり みど(雨ニモ負ケズ)
八 青田を渡る風のどっとと 縄文(風の又三郎)
九 よたかの子翼広げて天の星 梨乃(夜鷹の星)
十 エスペラントで綴る恋文 蘭石
十一 純潔を守り通して妹想ふ 鶴鳴
十二 笊の中身を盗むのは誰 縄文(狼森笊森盗森)
十三 ひそやかにイーハトーブに月昇る みど
十四 裏の畑で風に吹かれて 梨乃
十五 白き岩イギリス海岸写生行 蘭石
十六 有機交流電灯のゆらぎ 鶴鳴(春と修羅)
十七 法華経を誦してこの世の花万朶 縄文
挙句 ふっくら春の土を味わう みど
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