最近の作品より

《作品賦物「月の船」の巻》

(F5「おると」にて興行)

★宮沢賢治の作品を中心素材にした賦物半歌仙です。これも定例夜OLTのメンバーが一回のオルトの間に巻き上げた半歌仙です。




宮沢賢治賦物半歌仙「月の船」の巻

  勝手付 
起首 2000.10.08 
満尾 2000.10.08 

  発句 天気輪の柱は高し月の船      蘭石(銀河鉄道の夜)
   脇  梨をもぎ取りホモイにんまり   鶴鳴(貝の火)
  第三 セロの音帰る燕に贈りゐて     縄文(セロ弾きのゴーシュ)
   四  どんぐり拾う山猫と僕      みど(どんぐりと山猫)
   五 火山へとグスコーブドリは歩み行く 鶴鳴(グスコーブドリの伝記)
ウ  六  谺はめぐる朱鷺の羽音と     蘭石(若い谺)
   七 夏の日を米と味噌とでしのぎけり  みど(雨ニモ負ケズ)
   八  青田を渡る風のどっとと     縄文(風の又三郎)
   九 よたかの子翼広げて天の星     梨乃(夜鷹の星)
   十  エスペラントで綴る恋文     蘭石
  十一 純潔を守り通して妹想ふ      鶴鳴
  十二  笊の中身を盗むのは誰      縄文(狼森笊森盗森)
  十三 ひそやかにイーハトーブに月昇る  みど
  十四  裏の畑で風に吹かれて      梨乃
  十五 白き岩イギリス海岸写生行     蘭石
  十六  有機交流電灯のゆらぎ      鶴鳴(春と修羅)
  十七 法華経を誦してこの世の花万朶   縄文
  挙句  ふっくら春の土を味わう     みど



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