フォーラムダイジェスト「紀行」(抄録)


電脳韓国の旅98・9・11〜17(動網編)

★これは塔婆守氏が動網により電脳連句SIG韓国旅行の模様を報告したものです。一部編集致しました。 旅中の数々の冒険譚は紀行編をご覧下さい。(係)



動網@>成田空港より     塔婆守
★内容

新宿を08:05に定時発車、ただ今車内できぃを打ってをりまする。隣席は無耶さま、前席には水壺・海砂御両所。さきほど旅立ちを祝して缶びぃるで乾杯を済ませたるところ。ほどなく成田空港に到着することでありませぅ。

  秋晴れやいざ尋(と)め行かむ風の島   蒼海

みど・唐辛子御両所とは10時30分に空港びる四階にてお目もじの予定。
くろむ、よろぶん、たにょおげっすむにだぁ(ほんなら、各位、行て参じまする)

                                    塔婆守




動網A>そうるの第一夜     塔婆守
★内容

昨夜は投宿後に街へ出て夕食といふ算段。魚を食べたいといふ女性連のご要望に応ふるべく、ほてる近辺の食堂街を物色いたいたるところ、看板の一部に"へむるたん(海物鍋)"の文字を掲ぐる店を発見、早速そこになだれこみまらした。通されたる二階のいっち奥に座を占め、めにゅぅより美味さぅなる物件をあれこれ拾ひ出しました(詳細は「わかば」を御覧あれ)。お飲み物は"いんさむとんどんじゅ(人参トンドン酒)"といふ初体験の代物。濁酒を収めたる瓶に瓢箪を縦割りにしたる(形をしたるぷらすちっく製)酌み柄杓にて碗に盛りつつぐいとやる。ほんのりと甘いながらもいつしかほろ酔ひ気分になるといふ上乗の一件にござある。

次第に混雑の様相を呈し出したる店は、勤め帰りとおぼしきぐるぅぷが多い。我等が6人にて占めてゐると同じ小卓を二つ寄せて作ってもらぅたる酒席を、隣りはその3倍はあらぅかといふ人数が肩をくっつけ合ふやぅにして盛り上がってゐる。こちらは、辛くない物をといふ唐辛子さまの要望に従って注文したる皿が次々に運ばれて来る。それらをほぼ綺麗に平らげて部屋に戻ったるはおよそ2時間ほど後のことでありましたらぅか。

男部屋にてはその後、帰り掛けに小銭を入手すべく、通りがかりの店にて買ひ入れたる瓶入りまっこりを2本退治いたいたといふことも添へ置かいでは真実に背くことに相成りませぅか。

本日は海砂どの憧れの特急せまうる号にて、キム君の待つ光州(くゎんじゅ)に向かひまする。




動網B>くゎんじゅ(光州)より     塔婆守
★内容

きのふはそうる駅09:10発せまうる号に乗車、一路光州に向かひました。ほてるのろびぃ集合時間を8時と定めてあったほどに、しくさ(食事)をする暇がござあらなんだによって、駅弁(海苔巻+お稲荷)を買ぅて発車後の遅い朝食と相成りまらした。

かねてよりキム君(あ、もはや"先生"と呼ぶがよろしからぅず。同行の各位はこの呼称を用ゐてをらるる)の手を煩はせて予約し置いたるほどに難なく座席を確保いたし、快適なる3時間半の汽車旅を終ふることを得ました。

そのキムそんせんにむの出迎へを受けて光州駅に到着後、荷物をほてるに預け、彼がよく利用するといふ食堂の御亭主が迎へにおでぁったるまいくろぼすに乗り込み、田園風景の広がる郊外へ出向き、美味なる"石鍋ぴびんぱ"にありつくことを得てござある。その間、とんちゃんこと唐辛子御前が唐辛子の辛さに呻吟いたいたるえぴそぉどなんどがござありまりたが、これは早晩「わかば」に詳しい体験記が寄せらるるであらぅほどに、ここでは省筆いたしまする(ト、その被害者に振る(^^; )。

昼食を済ませたる一行はいったんほてるに戻り、てきし2台に分乗して国立光州博物館に向かひ、しっかりおべんきょをいたしました。この施設の目玉は、中国元代に近くの海の藻屑と化したる沈没船より引き上げられたる磁器の尤物。その見事なる保存状態には目を見張るものがござありました。

再びほてるに戻ったるは午後5時すぎ。しゃわぁなんどを浴びて昼の汗を流し、キムそんせんにむと新たに加はったるところのこれも大学勤務する尹(ユン)そんせんにむの迎へを受け、一行は近くの食堂まで出向きました。そこに待ち受けてゐたるはホナム(湖南)大学の日本語学科の学生7人、キムそんせんにむの教へ子にござある。彼らと合流してたちまち日韓交歓の宴が始まる。その詳細は、これも「わかば」に譲ることにいたしませう(今後はこの手に限るぞ(^^; )。

本日はもっぽ(木浦)に向かひ、そこの港より海路にてほんど(紅島)を目指す予定。島よりのあくせすはおそらく成り難いことであらぅずるほどに、明日の報告は休みとなる公算が大にござありまする。

くろむ、よろぶん、あんにょん。      塔婆守




動網C>ほんど(紅島)より
★内容

光州を10:06に発車御予定のとんいる(統一)号の切符をやぅやくげっといたいたる一行は、勇躍モッポに向かひまらした。車中のくだくだしいことは「わかば」に譲り(って、いつの間にか常套句(^^;)、列車は早くもモッポ駅に到着いたいてござある。

出航時間は13:40、とりあへず切符を買ひ入れたる後に港の前のしったん(食堂)にて腹拵へ。それより乗船いたいて発船したと見るや、たちまち睡魔に襲はれ、昼に漕ぎ出す白河の夜船の乗客が熱心に御覧じてをられたるところのTV映画の難船酢ぶりは、これもまた「わかば」の好材料でありませぅ。海路を進むこと約2時間半、両側に島根が見え出したる頃にやぅやく船は港に到着いたしました。本日はその民宿の一間よりあくせすいたいてをりまする。

くろむ、よろぶん、あんにょん。      塔婆守




動網D>むぐんふぁ(無窮花)号車中にて
★内容

けさのしくさ(食事)は6時1分開始。なにゆゑかかる時刻に相成ったるかと言ふに、7時発の遊覧船にて島を一周せぅとの目算より出でたる措置にござある。

辛さにいささかだぅん気味のとんがらしのとんちゃんを一人宿に残して港に向かひ、やぅやく乗船を始めたるは定刻をやや過ぎたる7時10分頃。奇岩怪石が次々に姿を見する海岸線沿ひに2時間の巡航を堪能して再び港に戻り、元気を取り戻したるとんちゃんと合流いたしました。荷物を運ぅで貰ぅたる民宿の主人に送られて艀(はしけ)より高速船に乗り移り、それよりもっぽに向かぅて再び海路を辿り、午後●時過ぎに無事到着。駅前のしったんにて遅い昼食を摂り、標記の列車にて只今そうるを目指して北上中にござある。

これを書き込むはおそらくそうるのほてると相成ることでありませぅ。書き込みついでに、これまでの旅中の慰みとして一行が巻きつつある歌仙の一部をご披露いたしまらせぅ。

               
       旅中連句「韓の旅」の巻      
         起首 98.09.11  
              
   発句 美女連れの韓の旅路や月高し   水壺    
     脇   秋半ばなりアドリブの宴  みど   
   第三  白木槿連載コミック描き上げて  海砂   
    四   大の字になる床のひろびろ  とん   
    五 料亭の壁に何やら虫喰ひが   宗海   
 ウ   六   胡瓜かりりとかじるをぢさん  無耶   
    七 繕ひのすんだすててこ差し出され   壺  
    八  刺繍ふとんに座るぶち猫     ど  
   九 俯きて泪ぐみたり青辛子     砂  
   十  兵役に就く年下の男(カレ)    ん  
  十一 ブルースに合せて指をからめつつ    海  
  十二  かささぎめいた声の妖しさ      耶  
  十三 冴ゆる月礼して過ぐる儒者の家     ど  
  十四   藷粥のあと寝酒少々        壺  
  十五  繭の形(ナリ)甕棺ひそと横たはる     ん  
  十六   白磁に残る海底の夢         海  
  十七  初花はいろこの宮に咲くとかや     耶  
  十八  亀鳴くころを苫の手枕        砂  
 (続く)        
         






動網E>そうるのほてるより     塔婆守
★内容

本日は市内見学の日。いささかだぅん気味の<み・とん>ご両所は朝食を軽くほてるのしったんにて済まするといふことぢゃによって置き去りにいたし、残る四人は 朝飯を兼ねて南大門市場見物に出かけました。場内のめぼしいしったんに入り、"そるろんたん(雪濃湯)"を注文、その絶妙なる淡泊さに舌鼓を打ちまらした。

市場にて衣類なんどを買ひ込ぅだる後、ほてるろびぃにて居残り組の御両所と落ち合ひ、そこに尋ね来たる現地のお友達の案内にていんさどん(仁寺洞)なる街に地下鉄にて向かひました。

ここは骨董屋・筆墨・古書なんどを扱ふ店が軒を並べたる一区画にて、欲しい物を買ひ始めぅならば方図も無い恐れのある場所。その物欲をぐっと押さへつつも衝動買ひ・釣られ買ひ・思ひつき買ひなんどを繰り返しつつ、気づけばづしりと重い手荷物の山といふ体たらく。

途中でみとん組と別れ、小路の両側の塀が肩に触れさぅなほどの細道を辿りつつ、昼食の店を物色し、とある一軒の門をくぐり、大満足にて店を出ましたが、その間に生じたるはぷにんぐの数々については、それがしが発表を独占せぅならば他のお三方よりきついお咎めを受くるは必定ぢゃほどに、これはいづれちびちびとひろばにご披露せぅ所存にござある。

こは、出し惜しみに似たれどもさにあらず。ひとへにお三方の咎めを恐るるのみ。恨むならばお三方をお恨みあれかし <各位

ト、いふ次第にて、今夜はこれより旅の最後の夜を過ごすべく、韓定食の店に向かふことといたしまする。さぞかしお膳の足が曲がるほどの馳走が待ってゐることでありませぅ。

                     塔婆守

(紀行編)へ


「『紀行』ファイルタイトル一覧」に戻る
「ライブラリィの紹介」に戻る
表紙に戻る