ここもとご覧に供じ入れまするは、回文にて源平の闘諍をば絵巻物に仕立てうと
いふ天をも恐れぬ所行。さすがに途中にて投げだしたる趣なきにしもあらねど、
ナニ、目下は源平の休戦会談成立したるといふのみにて、いつ何時、戦乱の火蓋
切って落とされぬとも限りまらせぬ。
”正編”は、平家物語の原典に比較的忠実なる内容の回文、”紙背文書”は、大
胆な想像の翼を広げた、難撰酢度の強い回文、ト、一応分類してはござあれども、
もとより風雅の遊びにて、さほどガチガチに区分したものにはござあらぬ。消閑
の具にご笑覧下されい。
なほ、ここに載せんとして漏れたる散逸の文字、無きにしもあらず。お気付きの
点あらば、”源平”のへっだをば冠してご一報下されたく、御願ひ上げ奉りまっ
する。
絵巻勧進元 塔婆守敬白
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》》》 源平闘諍録魁文絵巻 正編 目録 《《《
【 祇園精舎 】
#2164/90/ 1/12 鐘の声 厄織り置くや エゴの音が 宗海
#2184/90/ 1/13 祇園精舎 あやしう余震 隠岐 山魚
【 殿上闇討 】
#3483/90/ 4/27 いたぶれば 眇もめかす 晴舞台 山魚
【 鹿谷 】
#1673/89/12/11 清盛をそしるしるしぞ 折もよき 宗海
#1743/89/12/15 狩衣で倒す瓶子さ ジイへ頭をたてぬ義理か 杏奈
【 足摺 】
#1737/89/12/15 白波の消ゆるは春雪のみならじ 宗海
#1752/89/12/16 消ゆるも鶴橋春積もる雪 山魚
#3468/90/ 4/25 俊寛寝て年間油紙 杏奈
【 有王 】
#3464/90/ 4/25 島の硫黄取り、薪取る。有王居り、ある時来たり問う。老いの増し。 宗海
【 医師問答 】
#1858/89/12/22 ガン平氏 重盛も消し 四囲変化 山魚
【 鵺 】
#1559/89/12/ 4 鵺を待つ弓元も見ゆ 妻を得ぬ 宗海
【 早馬 】
#3462/90/ 4/25 蕎麦咲く石橋山 今やしばしいくさ場ぞ 山魚
【 富士川 】
#2104/90/ 1/ 7 水鳥のショック強し祝詞済み 山魚
【 小督 】
#1896/89/12/24 琴の音高し 憂し 片寝の床 宗海
#1903/89/12/24 爪音高し 想保父連 こんれ、父母、嘘 四方遠松 杏奈
【 入道死去 】
#3453/90/ 4/24 清盛汗出し曰く、「鍬・石出せ。蟻も良き」 宗海
#3456/90/ 4/24 あたたあたあた 清盛死して 弟子尻もよき たあたあたたあ 杏奈
【 実盛 】
#1736/89/12/15 弱る平氏のジイ減るわよ 山魚
【 忠度都落 】
#1761/89/12/16 師に託す 和歌よし夜川 すぐだ西 兼坊
【 宇治川 】
#1569/89/12/ 5 宇治川参陣 先陣さ若衆 山魚
【 木曽最期 】
#1421/89/11/25 義仲逝きし 主消ゆ 悲しよ 宗海
#1426/89/11/25 さらば我が母 場は川原さ 杏奈
#1434/89/11/26 源平飼うよ 妖怪変化 山魚
#1664/89/12/10 槍赤し 巴よ柄元しかありや 杏奈
【 坂 落 】
#1990/89/12/30 鹿落としヒヨドリ越への馬か舞うのペコリと酔ひ尿おかし 閑幽
#3361/90/ 4/17 一の谷 重衡卑下し 荷駄の地位 山魚
【 那須与一 】
#1595/89/12/ 6 与一的ぞ見ゆる 取る弓そと待ち射よ 宗海
#1633/89/12/ 8 那須与一 海鳴り波打ち 伊予の砂 山魚
【 志度合戦 】
# 703/89/10/10 屋島指す遠矢の矢音すさまじや 宗海
【 壇浦合戦 】
#1685/89/12/12 壇ノ浦 有象逃走 老飲んだ 閑幽
#3343/90/ 4/14 壇の浦は水底ぞ 波払う 飲んだ 山魚
#3441/90/ 4/23 水底に都あるらし 知らる吾子 闇にこそ波 糸
【能登殿最期】
#3332/90/ 4/13 長鞘はずし 能登の殿死す 早さかな 宗海
【内侍所都入】
#1828/89/12/20 平家敗る散り散りなるか?刈るなり散り散るふやけ萎へ 閑幽
【 劔 】
#1697/89/12/12 剣は海の藻屑や 幼さを易く物見 乳母 切るっ! 閑幽
#3428/90/ 4/22 闇野に立つ秋 熱田二の宮 宗海
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》》》 源平闘諍録魁文絵巻 紙背文書 目録 《《《
( 義経/静 )
#1209/89/11/ 9 小さき刀 名高き才智 (牛若丸) 宗海
#1692/89/12/12 熱暑 野心家 小冠者義経 山魚
#1696/89/12/12 しづやしづや 舞いつつ今や 辻や辻 杏奈
#1728/89/12/14 義経の悲劇を聞け 氷の捻づしよ 杏奈
#1750/89/12/16
<異文一> 舞い歌うしづ 足熱し 歌う今 宗海
<異文二> 舞い歌うしづ 摘むツツジ 歌う今 同
<異文三> 舞い歌うしづ 衣キヌきつし 歌う今 同
<異文四> 舞い歌うしづ 眉貧し 歌う今 同
<異文五> 舞い歌うしづ 口崩し 歌う今 同
<異文六> 舞い歌うしづ 羽目外し 歌う今 同
<異文七> 舞い歌うしづ 引く羊 歌う今 同
#1758/89/12/16 ジンギスカンが義経と熱書 看過す近視 閑幽
#3342/90/ 4/14 一人静や 矢がずしり飛び 閑幽
#3364/90/ 4/17 紫 静か書く画家 厨子記去らむ 閑幽
#3504/90/ 4/28 果てしない旅絵図 九郎もうろくす 蝦鯛なしでは 山魚
( 弁慶 )
#1713/89/12/13 新鮮な意見 弁慶 南禅寺 山魚
すんせんな意見弁慶ナンセンス <訛言形> 山魚
トラベラー弁慶が意見べーらべらと 山魚
#3503/90/ 4/28 ヤイ、関守 問うよ 鎮心かな 勧進帳執りも犠牲や 閑幽
( 義仲/巴 )
#1671/89/12/11 琵琶を聴く義仲悲しよ茎をわび 山魚
#1678/89/12/11 「琵琶あはれ 芳一あはれ」「あれはアヂ言う」「ほれはアワビ」 杏奈
#1722/89/12/13 白が勝つのかの?赤が勝つのか、彼の柄カカアのかの? 柄軽ろし! 閑幽
#1786/91/ 1/25 冬の薔薇哀し義仲騾馬の夕 閑幽
(頼朝/政子)
#1726/89/12/14 頼朝想いし妹お戻りよ 山魚
政子さまあ政子さまあ政子さま 山魚
(後白河法皇)
#1796/89/12/19 若ら死後 鳳凰追う帆 御白河 山魚
( 敦盛 )
#1820/89/12/20 鳥モツ熱燗トンカツ 敦盛と 山魚
( 小督 )
#1903/89/12/24 爪音高し 想保父連 こんれ、父母、嘘 四方遠松 杏奈
( 知盛 )
#3387/90/ 4/18 慕い寝ず 知盛股と すね痛し 山魚
( 忠盛 )
#3483/90/ 4/27 死なで飲も 忠盛もただものでなし 山魚
( 源平一般 )
#1767/89/12/17 大原三千院 参院選さらば おお 山魚
#1900/89/12/24 地球環境保護国際積立基金 聞きつ 平家軽蔑 山魚
飢饉危機で 民つい錯誤 誤報よ 金買う諭吉 山魚
#2163/90/ 1/12 弓をひく為朝求めた首を見ゆ 山魚
#3331/90/ 4/13 鹿と怒馬 酔うと聞き 祈祷夜半届かじ 閑幽
#3354/90/ 4/16 笠にきて得たりし利絶え敵に坂 杏奈
#3393/90/ 4/19 兜しめ 鎧緋色よ 召し飛ぶか 閑幽
#3401/90/ 4/20 矢種尽き 平氏恥じ言へ 来つ寝たや 閑幽
#3438/90/ 4/22 南無、槍襖だ。薙刀まず振り止むな 閑幽
#3519/90/ 4/28 南無放つ矢叫び袈裟や綱食むな 夜郎
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