::::::::::;;;;;;; 音尽し歌仙「三伏の野」の巻 ;;;;;;;:::::::::: 起首 97/07/30 満尾 97/09/28 発句 三伏の野に馬どちの駆くる声 野猿 晩夏 場 脇 轟然として夕立の過ぎ 無耶 三夏 場 第三 親指を燃やし鶫をたづぬらん 野猿 三夏 半 ※鶫(つぐみ) 四 耳当てて聴く大木の息 健悟 雑 自 五 月待てば波の響みは東より 宗海 三秋 自 ※響(とよ)み 六 虫が動いた妹の筺 健悟 初秋 他 ウ 七 レコードの針跳ぶバッハ秋の果 游越 晩秋 場 八 沢庵だけで昼飯を喰ふ 砂男 三冬 自 九 これからは年が気になる放屁芸 健悟 雑 自 十 唖の雀か鳴らぬ太鼓か 野猿 雑 場 十一 ショショニー族酋長の娘の口笛に 無耶 雑 他 十二 捨て舟に逢ふ潮騒の底 海砂 雑 半 十三 ゆすら梅揺らせば紅のこぼれきて 無耶 仲夏 自 十四 初蜩に月は昇りぬ 砂男 仲夏 場 十五 山寺に小坊主木魚ひっぱたき 帆夢 雑 他 十六 がんもに豆腐ィ小型四輪 宗海 雑 他 十七 銭湯を下駄で出てくる花ふぶき 帆夢 晩春 自 十八 春昼の空よぎる幻聴 野猿 三春 自 ナオ 十九 銀色のB29の霞みゆく 無耶 三春 場 廿 麻疹に罹り糸電話引き 游越 雑 半 廿一 南国のオウムを肩に父帰る 野猿 雑 他 廿二 ノアの方舟造る兄弟 帆夢 雑 他 廿三 絵硝子に爪たて堕ちてゆく天使 帆夢 雑 場 廿四 せめて眠りの夜はやさしく 無耶 雑 半 廿五 つくづくと氷のやうな女なり 砂男 晩冬 他 廿六 水泡たちて前夫の浮かび 些考 雑 他 廿七 グラン・ブルー海豚の合図に癒されて 無耶 雑 自 廿八 太古の海をこの胎に抱く 野猿 雑 自 ※胎(はら) 廿九 婆羅門も寡黙にまして月の蝕 健悟 三秋 他 卅 邯鄲の占算木起こさせ 無耶 初秋 他 ナウ 卅一 呼ぶを避け付けたる去年の赤い羽根 些考 晩秋 半 卅二 大勲位授賞の電話りんりん 無耶 雑 場 卅三 左褄とりてからげてちちんッとん 些考 雑 他 卅四 喧嘩っぱやいは大江戸の猫 砂男 雑 他 卅五 往来の轍軋みて花明かり 些考 晩春 場 卅六 暮六つの鐘のどかなる峰 無耶 三春 場 ;;;;;;;::::::::::;;;;;;;::::::::::;;;;;;;::::::::::;;;;;;;:::::: 些考さんの野分同字を見て、自分でもやってるのに気がついて(^^; ナオ卅の「野分の占」を「邯鄲の占」に直します。すみません。 でもめでたく満尾、よかった、よかった。 新興行、早速進めてくださって有り難うございます>些考さん お具合、如何ですか。お大事にしてくださいね。 無耶
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