連 句 入 門

初級編




  【10】 式目(★★★)


詳細は中級篇で述べますが、式目の全体を概観してみましょう。

 句数 (続けなければならない句数)

         貞門式目    蕉門の作例    現代の作例からの標準
  1) 春・秋  5句去り    3〜5句         3句
  2) 夏・冬  2句去り    1〜3句         2句
  3) 恋    5句去り     1〜5句         2句
  4) 雑    決りなし     決りなし         決りなし

 去嫌 (隔てなければならない句数)

  5) 同字  5句去り 初表は一面一字のみ(ただし「恋」は1巻1字、)
  6) 述懐・無常・旅体・病体・神祇・釈教・夜分・山類・水辺・居所2句か3句去り、
    句数1〜3句
  7) ほかの類語はすべて2句か3句去りで、句数1〜2句
  8) 二花三月(にかさんげつ)の定座を守る。月の定座が初表5、初裏8、
    名残表11句目。花の定座が初裏11、名残裏5句目。
  9) 月の定座で落月や無月の句を詠まない。秋の句のひと続き(3〜5句)には
    必ず月の句を1句入れる。ただし月の関連語が出ていればそれで月はでて
    いることになります。
  10) 花の定座では桜の花を<花>という語を使って詠みます。
  11) 発句、脇、第3、4句目と挙句は、約束ごとが多いので注意します。
  12) 月、花はそれぞれ一句付けたら他の人に譲ります。
  13) 特筆すべきは貞門式目では人倫二句去りとなっていましたが、蕉門は人間の
    生活や感情を詠むことを好み、自然の叙景が減って、いきおい人倫二句去り
    の式目は有名無実となりました。


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