自由連句通巻77「鮮やかな」の巻
起首 2003.02.16 満尾 2004.02.23
7700 鮮やかな色に面影しのばされ ロコ
7701 花歌ふよりデモに行かうよ 野猿
7702 春なればすべての武器は楽器とて 無耶
7703 シューシャンボーイのポケットの穴 薊子
7704 今宵月ふとかばつてん唄ふべし 海砂
7705 夜話尽きぬ紅島の浜 みど
7706 心こめ一筆ごとに師を想う 唐辛子
7707 誰が噂かくしゃみ連発 兼坊
7708 乾坤と雨水たたふる壷の中 野猿
7709 仙人ひょいと乗る春の雲 無耶
7710 あくがれは影と光のトレモロに 薊子
7711 シャッターチャンスを逃すデジカメ 兼坊
7712 堅香子のまこと短き栄えの時 薊子
7713 蝦蟇も重なる春の公園 みど
7714 猫の恋振られっぱなしの野良あわれ 兼坊
7715 情が仇とうらむ横櫛 薊子
7716 通り雨遣り過す間の煙草盆 みど
7717 ごほんと言えばはいとのど飴 兼坊
7718 爆撃をピンポイントといふ詐術 薊子
7719 妖怪としか見えぬ政治家 兼坊
7719 恋は野の鳥だましてみてよ 唐辛子
7720 スカートをひるがへしつつ町娘 無耶
7721 花いっぱいの窓に春雷 みど
7722 誘はれてお玉杓子のよーいドン 薊子
7723 登校拒否児にも新学期 兼坊
7724 勲章はリストカットの腕にして 野猿
7725 天へ届けとぶらんこを漕ぐ 無耶
7726 花冷えに温室育ちの頼りなさ 次郎
7727 霞む遺跡に終戦の報 みど
7728 沈黙の神々のゐて春嵐 無耶
7729 騒音はただ名前の連呼 兼坊
7730 病院の窓にもそよ風届いてますか? みど
7731 祈っています猫もわたしも 無耶
7732 かたことんポストを鳴らす定期便 みど
7733 隣へ三里山間の村 兼坊
7734 若楓雨滴散してはしゃいでる 次郎
7735 運動靴を洗う少年 無耶
7736 ちりちりとアールグレイのお湯沸いて みど
7737 問はず語りに囚はれの日々 薊子
7738 うかうかと微熱ありとも言へもせず 無耶
7739 虎疾走して後追い隠れフアン 次郎
7740 死のロードまでの楽しみ去年まで 兼坊
7741 地震にSARS揺れる列島 みど
7742 蝸牛介護を理由に義理を欠き 次郎
7743 スロー・ライフも愉しからずや 無耶
7744 新幹線橋桁崩れ徐行して 兼坊
7745 青田の風のそよろそよろと 無耶
7746 豆飯や慎ましき幸頬張りぬ 次郎
7747 汁もおやつもおつまみも豆 兼坊
7748 「良い人になる方法」をめくりつつ 無耶
7749 パラソル高く待ち人来る 次郎
7750 暑き日や鎮守の森の夏木立 兼坊
7751 蟇のっそりとめぐる古池 無耶
7752 戦いが幾度も通り過ぎまして 兼坊
7753 佛の顔も三度削られ 無耶
7754 タクラマカン彼方に臨む獣道 みど
7755 雷光一閃身を透き通る 次郎
7756 放射線技師愛飲の白ラベル 薊子
7757 この一服が国を救うか みど
7758 税金の比率明記の法律を 兼坊
7759 梅雨も明けぬに灯るマジック みど
7760 釣忍提げる袂のゆかしさに 薊子
7761 月涼しげに小首傾け 無耶
7762 怪しげな男が猫にインタビュー 兼坊
7763 はたた神にも好き嫌いあり みど
7764 昼飯はタマネギ抜きのカツ丼を 兼坊
7765 私は健康管理弁当 兼坊
7766 天高く地揺るる時膝抜けて 無耶
7767 腰折れ連句とにかく付けて 兼坊
7768 流れ星獅子座離るる頃となる みど
7769 翁ふたりが蓮の座に酌み 無耶
7770 若者よ花を持たせるからおいで 兼坊
7771 古文教師のクイズ長閑に 無耶
7772 うかうかと月日が過ぎてシャボン玉 みど
7773 改革全部先送りして 兼坊
7774 曇りしは窓のみならず月の照る みど
7775 鍋のおでんの徐々に冷めゆく 無耶
7776 穴ぐらの主は拘束されたとか 兼坊
7777 冬眠中のサンタさんかな 洋
7778 赤鼻のトナカイは又呑み過ぎて 無耶
7779 帰路に立寄る湯煙の町 洋
7780 稀れ人の柔らかき声懐かしく みど
7781 年に一度の歳暮のお礼 兼坊
7782 もてなしは半殺しにすべ小晦日 海砂
7783 年玉貰うまでの従順 みど
7784 豆炒れば鬼の隠れる気配して みど
7785 夕暮れ母は子どもを探す 兼坊
7786 寒戻りやいとの渇で伸びる膝 次郎
7787 早咲き梅のほつほつと笑む 無耶
7788 塩胡椒半身の鱈のまったりと みど
7789 じゃがいもの芽のにょきと春らし 海砂
7790 空耳に幼馴染の声のして みど
7791 面映きかなチョコ便来る 次郎
7792 いい年をしてとおちょくる事なかれ 兼坊
7793 よーく考えヨお金は大事だヨ 海砂
7794 春の闇無言電話が続きおり 次郎
7795 どうもあの世に繋がったらし 無耶
7796 サマーワへ一本道に迷うとは 兼坊
7797 煩悩に囚われ出口なし 洋
7798 若駒の鬣凛々し桃の花 次郎
7799 南国土佐にハルウララ咲く 海砂
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