自由連句通巻79「夢の行先」の巻
起首 2005.07.03 満尾 2006.02.24
7900 七夕や夢の行先気にかかり 磨都
7901 うっかり玉手箱開けちゃった 兼坊
7902 レウマチス亀には二度と乗れぬとて 無耶
7903 威勢がいいのは掛け声ばかり 磨都
7904 政権を取るぞと選挙の度に言う 兼坊
7905 抜くにぬけない腰の赤鰯 無耶
7906 箸よりも重たい物は持てませぬ 兼坊
7907 モンローウオーク誰に習った 多衣
7908 災続く宇治金時の山崩れ 次郎
7909 蟻の眼に涙ひと筋 無耶
7910 炎天の路上きらりと輝いて 兼坊
7911 耐熱タイルの破片集める 次郎
7912 脚光を集め船外活動だ 兼坊
7913 父兄汗だく櫓組み上げ 次郎
7914 労働の後のビールを命にて 兼坊
7915 甘露甘露と喉を鳴らして 磨都
7916 浴衣咲く少女バンドのマーチかな 次郎
7917 遠花火見る陸橋の上 無耶
7918 宅配の荷物は配り終わらぬが 兼坊
7919 故郷向いて走る先生 次郎
7920 近頃は何処も足元ぐらと揺れ 磨都
7921 ぼくのせいではないとグリグラ 兼坊
7922 カステラの少し焦げたるいい匂い 無耶
7923 お釜掻き混ぜ祖母のおにぎり 次郎
7924 外食が続く出張飽きて来て 兼坊
7925 刺客の身にも秋風の立つ 無耶
7926 団扇置く電気ポットに水注ぎ 次郎
7927 喉を枯らした演説終わり 兼坊
7928 目覚むればここはいづこぞ衾雪 丁那
7929 まだ見えもせず丘のべの花 磨都
7930 丸投げは有権者でした秋狂言 次郎
7931 残暑も今日で終わる前線 兼坊
7932 名月もま近となりて蚊帳仕舞ふ 丁那
7933 つづれさせとや急かされる夜 無耶
7934 あなをかし時の速さは変らぬに 兼坊
7935 塩味まさる残り枝豆 次郎
7936 酒は飲むとはいえこわい成人病 兼坊
7937 雨も沁みこむ寒露のワイン 次郎
7938 湧き水の滾々と湧く道路沿い 兼坊
7939 ふとんも弾む秋晴れの音 次郎
7940 携帯の料金少し安くなり 兼坊
7941 競馬のあとは日本シリーズ 丁那
7942 しょげ虎を迎えるメガホン天高し 次郎
7943 数字合わせの腕は上々 多衣
7944 説明は下手のようだが人気あり 兼坊
7945 聞く耳持たぬ獅子頭のドン 次郎
7946 振り向けば過去の足音迫り来る 多衣
7947 未来志向になるか外交 兼坊
7948 小春日や白寿の母の笑顔かな 次郎
7949 娘片づく適齢期過ぎ 兼坊
7950 聖堂の鐘鳴りわたる夕暮は 丁那
7950 戌招くポインセチアの続く街 次郎
7951 走り続ける霜月師走 兼坊
7952 来年を鬼に笑われ落胆し 多衣
7953 口惜しき今日をゴミ出しにする 次郎
7954 大腸の検査をせよと告げられて 兼坊
7955 チムチムチェリーとフト口ずさむ 多衣
7956 子羊の殖えるばかりの寒さかな 次郎
7957 太郎次郎の屋根に降る雪 兼坊
7958 眠らせて静かに去った母の夢 多衣
7959 柚子湯に浮かぶ日々を愛しむ 次郎
7960 震度五で倒壊するかもしれぬ家 兼坊
7961 蟻に食われて柱ぶくぶく 多衣
7962 ウォームビズ早い話が着ぶくれさ 兼坊
7963 消費上向き?膨らむ福袋 次郎
7964 夏痩せはせずおせちでは太ります 兼坊
7965 想定外の漢字は愛 次郎
7966 愛のない事件沢山あったのに 多衣
7967 大活躍の愛ちゃん藍ちゃん 兼坊
7968 繭玉の飾りの狗のはやぎ振り 次郎
7969 鶏冠も褪せて潮垂れし鶏 多衣
7970 恙なくインフルエンザ運ばずに 兼坊
7971 元気印しの手書きの賀状 次郎
7972 また今年不埒な奴も成人し 多衣
7973 毎度のことは記事にもならぬ 兼坊
7974 戎神三日でチョコに席譲り 次郎
7975 ピロリ菌てふ菌を殺そう 閑幽
7976 ちょっと待て幼児誘拐する前に 兼坊
7977 損得考え何も出来ずに 多衣
7980 宝籤買った事無し株式も 兼坊
7981 パンと弾けたバーチャル風船 次郎
7982 楽天家今日は小菅の氷点下 閑幽
7983 冬眠するしかない独居房 兼坊
7984 冬ざれの心に凍みて癒えぬ風邪 次郎
7985 その実恋の病だったり 兼坊
7986 王室のバラの誇りを露と消え 多衣
7987 月やあらぬと嘆くオスカル 兼坊
7988 小鳥町猫町朧なる今宵 丁那
7988 春の花皆が黄色でつまんない 閑幽
7989 何か事件と鼻ひくつかせ 兼坊
7990 トリノではきっとやるぞと高言し 多衣
7991 電文到着委細了解 閑幽
7992 猶危険中華会館非公開 兼坊
7993 横断歩道に酔うて眠る 閑幽
7994 降りしきる雪おお何と美しい 兼坊
7995 会えなくなりし友の声聞く 次郎
7996 春一番菜の花連翹ミモザ咲く 閑幽
7997 明日は真冬に逆戻りとか 兼坊
7998 冴え返る胃の検査の待ち時間 次郎
7999 朧な月に涙浮かべて 閑幽
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