脇起賦猫歌仙「猫も聞け」の巻
衆議判 起首 2002.05.18 満尾 2002.05.25
発句 猫も聞け杓子も是へ時鳥 漱石 三夏
脇 金魚の鉢にしづこころなき 海砂 三夏
第三 初幟見上げ翼を欲しがりて 無耶 初夏
四 おさらひをする三味線の節 宗海
五 子の月を待って爪砥ぐ襖紙 薊子 新年/月
六 焼きいも好きも気まぐれの質 砂
ウ
七 可愛がりすぎて刺身にゃもう飽きた 耶
八 招き寄せたる客がどつさり 海
九 念仏をラップに乗せてひとくさり 薊
十 衣の裾にすりつける蚤 耶
十一 撫で声であれもこれもとねだるなり 海
十二 おっと俺らはさすらひのトラ 薊
十三 このたびのマドンナ有馬稲子にて 砂
十四 芸者上がりが眼を吊り上げる 耶
十五 駆け付けにぐいと呷つた木天蓼酒 海 三秋
十六 草の穂なんかでくすぐらにゃあでよ 耶 三秋
十七 被り物はらりと外す後の月 海 晩秋/月
十八 小腹空ければ花かつを飯 砂 /花
ナオ
十九 何となく鼻の冷たききのふけふ 海 三冬
廿 ドラえもん来て宙を飛ぶ夢 游越
廿一 匂い付けドコでもドアも念入りに 梨乃
廿二 お局のワナ踏んじゃったかな 越
廿三 あの美形ラファエルやらを御所望で みど ※出典「綿の国星」
廿四 ヒデヨシさまに逆らえません 乃 ※出典「アタゴール物語」
廿五 後朝の嘆きも知らで寝る仔あり ど 晩春
廿六 紙袋から髭とたんぽぽ 野猿 三春
廿七 鼠去り小判こぼれる夜半の春 越 三春
廿八 霞食うたか化けもせぬ月 耶 三春/月
廿九 西表山に君臨久しうす 砂
卅 入滅の日に不義理しでかす 海
ナウ
卅一 待ちかねた宅急便の鱧づくし 薊 三夏
卅二 舌を焼くよな熱々の燗 海
卅三 風強き北の岬にごめが鳴く 砂
卅四 丸い火鉢は毛だらけ灰だらけ 耶 三冬
卅五 綾錦柳と花を織りまぜて 砂 晩春/花
挙句 蝶戯るる簪の鈴 薊 三春
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