童話のペ-ジ
金のまさかり、鉄のまさかり

木こりの与作は仕事の帰り道、途中にある沼に大事なまさかりを落として
しまいました。与作が途方に暮れていると、突然沼の中から神様が姿を
現し、「与作、おまえが落としたのは、この金のまさかりか?、それとも、この
鉄のまさかりか?」と与作に聞きました。与作は即座に、「おらのまさかりは、
その鉄のまさかりです。」と答えました。すると、神様は、「与作よ、おまえ
は、なんと正直な男だ。褒美にこの金のまさかりをあげよう。」と言いました
。与作は、「神様、おらは、その鉄のまさかりでいいだ。」と辞退しました。神
様も、「与作よ、遠慮するでない。金のまさかりを持って帰りなさい。」と引き
下がりません。それに対し、与作は、「神様、どうでもいいから、おらの、鉄の
まさかり、返してくれよ。そのまさかりが、昔、金太郎さんが使っていたプレ
ミア付きの国宝級の物だって知っているんでしょ。おらの名前を知っていた
くらいなんだから。」

浦島太郎の竜宮日記

浦島太郎さんは、玉手箱を開けておじいさんになってから、生活費を稼ぐ為に
小さな出版社から、「浦島太郎の竜宮日記」という本を出しました。ここでは、
その内容の一部をご紹介しましょう。
ある日の午後、太郎さんが、街を歩いていると、井戸端会議の声が聞こえて来
ました。
「ヒラメの奥様、今度うち新築しましたの。建坪40坪の4LDKですのよ。」
「まあ、タイの奥様、それは、うらやましい事。でも、うちも、今度、新築するん
ですのよ。」
「まあ、ヒラメの奥様、ところで建坪は何坪なんですか?」
「タイの奥様、おたくと一緒の40坪ですの。」
「まあ、よろしい事。40坪あればよろしいですわよねえ。」
「ところでお宅は、何坪ですの?」タイとヒラメがもうひとりに聞きました。
「家は、どうせ、タコつぼですよ。」

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以上、2004年作