第11回「私とナイフとマシンガン」
 
 

  時事ネタはあまり好きではないのですが、

今回はあえてその嫌いな時事ネタについて語りたいと思います。

時事ネタ、といっても少し新鮮さには欠けるものがあるのですが。

(これは、西暦2002年2月3日に書かれているものです)
 

  昨今、少年らによる殺傷事件のニュースが度々報道されるようになりました。

そして、そういった事件が起こると出てくる解説者の人々のお決まりの文句とも言える言葉が、これです。

(細かい部分は違うかもしれませんが、大体の筋は一緒だと思います)

「こういう事をする人達はゲーム(あるいは漫画等のようするに少年のいわゆる『不健全な娯楽』)

と現実との区別がつかないからこういう事をするんじゃないでしょうかね?」

  ああ〜ん!?てめえら人間を馬鹿にするのも大概にしろ!と反射的に叫び出したくなりますが、

ここは言葉を荒げずに反論していきたいと思います(論理的に反論するつもりですが、

私の論理構築能力不足のため非論理的な内容になってしまう可能性もありますが、

あんまり無茶な事は言わないつもりです)。
 

  ゲーム(に代表される『不健全な娯楽』。以下略)と現実との区別がつかない、ですか。

本当にそんな人いるんですか?という疑問も湧いてきますが、

まあ、今はそういう人が実際にいる、という前提で話しを進めさせてもらうとしましょうか。

  ゲームと現実の区別がつかないような人がそこら中にゴロゴロしていたら

それこそ恐いんで、恐らくそういった人達は少数派でしょう。

  そんな迷惑な少数派のために私達の大事な娯楽が奪われること自体納得がいきませんが、

ちょっとゲームをやったぐらいでそんなに影響される人なんかは、

テレビのニュースでの交通事故、傷害、殺人、戦争の報道などや(ほかのものはともかくとして、

交通事故なんかのニュースはやらない日はないでしょう?)

戦争物の映画(これもたまにテレビでやってますよね?

ビデオレンタル屋にいけばいくらでも手に入るし)とか、

「密着警察24時」みたいな警察の活動を紹介している番組なんかを観ただけで

もう影響されちゃうんじゃないですか?「架空のお話」であるという前提がある

ゲームなどよりも、事実であるそういったものの方が人に与える影響としては大きいと考えられませんか?

  ゲームがいけないんならそういうものもちゃんと規制しないと駄目ですよね。

論理的に考えれば当たり前の結論だと思いますが?

でも、私は、こういうものを規制しろ、という発言を殆ど聞いた事がありません。

だって、こういうのは大事な大事な情報ですから。

人々が欲しいと思う情報を規制する社会は民主主義社会ではありません。

(私は必ずしも民主主義が正しいなんて思ってはいませんが、その話をしだすと

脇道にそれるので、今は横においておきます)

  まあ、この論拠だけでゲームを規制する事が誤った事であると言うのには

十分だと思うのですが、あえてもう一つ言うならば、

ゲームを人並み以上にやりつづけているにも関わらず、そういった事件を起こさない人

が少なからず(というかこっちの方が多数派だと信じていますが)存在するというのは

どういう事なんでしょうか?

問題は「現実と空想の区別のつかない人が存在し、それによって凶悪な事件が起きている」

ということであって、空想する事自体を禁止するのは明らかにおかしいです。

分かりやすい例を挙げれば、交通事故を無くすために全ての車を使用禁止にするようなものです

このナンセンスぶりは一目瞭然ではないでしょうか?
 

  私なんか、小学校時代から既に本屋でいわゆる18禁な本をよく読んでましたし、

中学校から高校時代にかけてはいわゆる「『暴力的な描写のある』ゲーム」に明け暮れてたり、

暴力描写が凄まじい漫画「北斗の拳」にのめり込んだりしましたが、

それでも1度たりとて傷害事件やら殺人事件やらを起こした事はありませんが?

(中学校時代はよく友達と喧嘩したらしいですが、私自身はその事をすっかり忘れていて、

喧嘩相手だった……らしい……友達からその事を聞かされてようやく思い出したぐらいですが。

今ではその友達の事を「朋友」と呼ぶほど仲がいい……つもりです。自分では)

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