先ずはまえがきから。小布施は、善光寺平にある小さな町。太平洋側・日本海側のどちらからでも、いくつもの峠を越えねばならない。現在でも、どこか外界から隔絶した別天地の趣があって、桜・桃・りんご・菜の花などが一斉に咲く時期は桃源郷そのものだ。
この小布施を、幕末に葛飾北斎が江戸から三度も四度も訪れ、肉質画や祭り屋台の天井画など、当地でしか出会えない作品を多く残した。北斎を厚遇したのは、この地方でも有数の豪農豪商だつた高井鴻山自身が若くして京都・江戸に遊学して書画文芸・陽明学などを学び、幕末・維新期の重要な思想家・文人とも交流して郷土の変革に貢献した。今流に言えば、世界的なビジヨンをそなえた「町作り」の先駆者だった。 二人を記念する北斎館と高井鴻山記念館を核として、町の中心部に昔から変わっていないかのように自然で落ち着いた雰囲気の修景地区が広がる。 現在では毎年、町の人口の100倍にあたる120万人もの観光客が訪れて、そこを散策する。 散策して「癒された」「また別の季節に来たい」と言い残して彼らは帰って行く。何度も訪れる人々、いわゆるリピーターの多いのが、小布施の最大の特徴である。一般民家の庭を観光客に解放する「オープンガーデン」でも庭が訪問者にとって内と感じられるものになっている。以下省略。長野市に在住している小生も度々行ってこの本に書かれている通りだと思った。 2024/12/04(Wed) 10:40:58 [ No.10177 ] |