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基地の島

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 アメリカ生まれ 沖縄育ち

 

 石獅子のことかと思ったら、アイスクリームの宣伝文句だった
 首里城で民族舞踊をやっていた。「冥土の土産に」と写真を撮らせて貰おう思ったら、「どうぞご一緒に」と、本当の冥途の土産が出来た。
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 基地の島

 3月23日。晴れ。那覇〜嘉手納。133/37キロ。日の出ホテル。嘉手納泊。

 前回首里城をよく見ていなかったので、もう一度行って、その後58号線を行ける所まで行くことにする。最後は本部(もとぶ)で泊まり、鹿児島までフェリーに乗り沖縄を離れる予定。

 58号線を走って、初めて沖縄を実感した。嘉手納まで、沿線は全て基地である。厳密に言うと、58号線自体が基地である。これは基地と基地とを結ぶ戦車道路であり、そのまま滑走路でもある。整備された鉄条網には「WARNING」の札が掛かり、その奥に広い緑地帯で隔離され、更にその奥の基地そのものは、こちらから窺い知ることも出来ないほど広大である。

 58号線と直交して基地との進入路がところどころにある。そこは、道路交通法上では私有地なのだろうか、横断歩道のマークはあるが、信号機がない。そこを自転車で横断するのは、かなり勇気が要る。「横断歩道の事故多し」の看板がやけに多いのを思い起こしながら、車の途切れるのを気長に待つ。歩行者優先という規範は人間に対する物で、柵の内側の人にとって柵の外側の人は人間ではない。

 私は率直に言って、アメリカという国もアメリカ人という人種もあまり信用していない。

 富は力、力は正義といった行動倫理に対する、富も力も無い者の僻みだろうか。

 しかし基地は現実に定着している。「ヤンキーゴーホーム」では、基地問題は解決しない。

 

 基地の中を自転車で走りながら思ったのは、パック旅行の手軽さだ。日米安保条約で得た手軽な安全。これを捨てるためには、無用な自動車を捨て、自転車で走るくらいの不便は忍ばなくてはいけないのかもしれない。

 

 

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