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 じいちゃんの自慢

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 4月23日。月。曇り。調布。1909/70キロ。

 

 今日はどうしても調布まで着きたい。しかし昨日予定通り走れなかったので厳しい。いつもより早めに朝6時半に出発した。

 関東平野というが、緩やかな丘陵と多くの川が横たわり、自転車で走ると関東山岳地帯である。それに、自動車道は発達しているが、自転車は市街地を離れると歩道すら無い。八王子街道も、前日の246号線に負けない地獄道だった。歩道橋の自転車スロープは急勾配で40度の逆落とし。荷物を解いて自転車と別々に渡ろうとしていたら、親切な人が自転車の後押しをして下さったので、そのまま通れた。

 

 地図を買って、鎌倉街道、鶴川街道、都道19号線と、地元の人でも知らないような裏道を縫うように走る。途中の相模原市は、昔の武蔵野の面影を残したような 静かさがあった。そして娘夫婦と孫娘が住む調布市も深大寺、植物公園とやはり武蔵野の風情を残した閑静な住宅都市だった。実は今月の7日に新築して移転したばかりの新居である。

 

 昨年2月、妻の葬儀のとき以来会っていない二人の孫娘はまた一段と成長していた。

 上は中学一年生。160センチを越え、チビデブのお爺ちゃんと肩を並べられる。下は小学校三年生。130センチ。私の中学一年生のときの身長だ。

 私がまだ負けないのは、体重と腹回りだけ。

 そして絶対の自慢は、今回の沖縄から北海道までの自転車旅行である。

 私は、二人の孫娘に残してやれる物は何もない。しかしこれが、もし彼女達が他人に誇らしく語れる物であったら嬉しい。何か困難に遭遇したとき、勇気を与える糧になれたら嬉しい。

 「どうだ。じいちゃんは凄いだろう!」

 

 爺ちゃんの 自慢は年と 腹回り

 

 

 

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